2024年3月の保育士研修フォローアップのための記事ですが、どなたさまでもご覧いただけます。
リトミックや、幼児むけの楽器指導などにご興味のある方のお役にたてば幸いです。
毎年、年度末には、3つの園では「リズムクエスト」というプログラムを行なっています。楽器の種類や容量は、その都度違うのですが、デフォルトは各園の室内鉄棒やジャングルジムなどの遊具をお借りして、楽器の遊園地のようなものをつくる活動なのですが、本日は積雪のため、車搬入ができなかったために、背負えるだけの荷物でお伺いしました。
しかしながら、「リズムクエスト」の本義は、「音、音楽に親しむほどに強くなれる」というのがコンセプトは達成しつつ、少ない荷物で「強くなった」様子をご覧いただきつつ、年度の最終回ならではの「メッセージ」館のあるコンテンツなどもご紹介したいと思います。
写真1 3/8 2024 積雪のため、背負えるだけの量で、本日のメッセージが伝えられるラインナップを急遽、セレクトしました。前日に積載のために車も車庫移動させたり、太鼓類などもパッキングを済ませた後に、想像よりも積雪があったので、このような判断をいたしました。
こちらの園では、楽器陳列用にこうぎ台を3つお借りして、3つのストーリーに分類した楽器類を陳列しました。
1)鈴、ベルのストーリー
「音楽」という言葉の由来についての話。西洋のミュージックは、「ミューズ」からきているのに比べて、漢字圏では、「楽」という字が当てられているために「音を楽しむ」と思われがちですが、「楽」という古来の楽器として知られているエジプト、メソポタミア由来の「シストラム」に近い楽器「楽」の字の成り立ちの話。そして、その「楽」という楽器を使っているさまが、「たのしそう」に映ったことから、「楽しい」という意味の漢字が誕生しました。「音を楽しむ」とは順序が逆で、「楽しそうに見えた様子」が、「音楽」なのです。
「音を楽しむことが音楽の目的」と教える向きもありますが、そうすることで「音楽を学ぶことに苦痛が伴う場合」は、自分が音楽への修練への道を楽しめないことに罪悪感を感じる場合もあります。私は、音楽を教える時に「楽しそうにする演技」のようなテクニックが大変苦手です。元来、自然に湧き出るはずのもを強制してはならないと思うからです。
古来の人々が不思議と感じた「鈴」のストーリー
英語圏では、すべてがベルとなるものが、東洋では「鈴」と「ベル」をわけけ分類していること
などもこちらの台に載せているもので説明ができました。
2)振り回し楽器のストーリー
小学館図鑑NEO音楽では、直川礼緒さんによる見開き尺での「振り回し楽器」の特集が組まれています。私の得意な紙工作による「パプアニューギニアのうなり木」を含む、蝉笛などの世界の振り回し楽器のコレクションの紹介を2歳以上の全園児に実演と、年長のみ自由体験もしました。振り回し楽器は、こわれやすい繊細なものという特色のほか、振り回そうして手放してしまうこともあるので、握力の安定している大きい子の方が安心して活動できると思います。
洗濯機ホースのようなハーモニーパイプは、全園児に公開して体験させました。ホームセンターで売っている「洗濯機ホース」を使用するアーティストもいるので、手軽に再現できるかもしれません。今日は、「買ってみたい」「どこで売ってるの?」と真剣に言ってくれた年中さんもいました。彼にとって、とても良い音だった様子です。振り回し楽器は、どれも倍音を聴きとる力が必要な楽器でもあるので、年度の最後に、これまでの「耳の訓練」のようなソルフェージュの結果もみえるような園児の反応がありました。
3)良い音のストーリー
エナジーボール、マジックワンズ、おきあがりこぼし「ポロンちゃん」の中身など、「良い音だなぁ〜」としみじみ思えるような音のおもちゃ的な楽器を集めたテーブルです。
https://youtube.com/shorts/fnhvfz_zsfg?si=fmw4SC2vJkRZZG9d
動画にまとめたものもよかったらご覧ください。