渋谷ズンチャカにて「オリジナル楽器づくり実験室」を担当させていただいて3年目。

そして、今年も、その時に余分に用意した材料をふんだんに使用しての「ウチの子限定」の楽器づくり工作ウィークを3日間にわたって敢行いたしました〜〜〜!

いつもの年は、「土曜日リトミック」の1回だけで、あとの在庫はまた来年の「ズンチャカ」用にしまいこんでしまうのですが、「オリジナル楽器づくり実験室」のスポンサー協賛は、今年で終了と決まっていたので、在庫も残さずに終わらしてしまおうと思っています。なので、「土曜日リトミック」「火曜日」「木曜日の2クラスと個人レッスン2組」と、続けて大工作大会となったのでした。

素敵な作品の数々をご紹介したします。

グルーガンを上手に使った鈴タンバリン

コルク板に輪ゴムをはったハープ

王冠と貝殻の音が鳴るキラキラポシェット

パパが一生懸命考えた楽器

ママなし、パパのみで1歳児を連れてきてここまで作れたら立派です!

鍵盤を叩くとシャカシャカ音グッズがなる楽器

ハートのパンデイロ 王冠で作ったジングルが仕込まれています。

そして、びっくりするほど、手わざがパンデイロでした〜。

私をよく観ていると感心!

太鼓がポイントのハートポシェット

とってもお気にいりみんなに見せたい楽器

明日、幼稚園に持っていく!って言っていました。

さてさて、種明かしコーナーです。保育や教育に携わった方なら、こどもたちに「お手本のない工作」をさせること、材料を自分で適量を選び、それを組み立てる工程を自分で考えることがどんなに難しいかはおわかりになることと思います。

指導は大変難しいのですが、こどもたちは、自由なこども時代にこれを通過しないと、成長しても自分で効率のよい順序が構築できなかったり、そもそも自分でオリジナルなんか作りたくないという感性に育ちます。今年の渋谷ズンチャカは、台風の影響もあって、ほぼリピーターや、作りたい意欲を持った人の少数精鋭だったので、見学者や空席を待てずにおかえりになった方以外は、大人もこどもオリジナルを作り上げていましたが、例年だと、

「えっ?自分で作るならいいです。」

「完成品、サンプルをください」

という大人やご家族もいるものです。

そこで大事なのが、環境設定とルールです。

コンビニの陳列のように、材料をカテゴリー別に並べています。

こどもの目の高さで、まずは自分で選べるようにすることを学びます。

ラボに長く通っている子は、ルールもよく理解しています。このルールが、外でのワークショップでは難しいので、説明をしっかります。食べ放題ビュッフェでも、「食べられる量のみ」がルールだけれども、慣れていない人は、欲張って残してしまいますよね。必要なものを必要な量だけ。

・基盤 台紙になるカテゴリーは、ひとり1個

・鈴、鍵など全体の数が少ないものは、3〜5などその都度、全員にチャンスがある数を設定するか、判断にまかせる。

・個数制限のない素材

・マスキングテープ、紐、輪ゴム、画材などは無制限

・作らないで材料だけを持ち帰ることはバツ。滅多にないけれど、持ち帰り目的で必要性のないくらいパーツだけをぶら下げるような場合には、注意をしています。

 

こういった形式の「自由工作」は、やはりこどもながらでも回数の経験によるのだと思います。

幼稚園時代、新入園の子で、クラスの折り紙箱をあけて、ねこそぎごっそり束で掴んで、黙ってカバンにいれようとする子は、よくいるものです。

「家で折り紙したいから」が、その子なりの理由なのですが、むらさき幼稚園でのルールは、その場で1枚ずつ折り終わったら、次の折り紙をとりにいって良いとしています。手裏剣で2枚使う場合は、先生に申し出るルールです。

折り紙は比較的にすぐになれるので問題ないのですが、工作の素材は幼稚園では、粘土ケースの蓋などに、銘々ずつとりわけてキット化して指導する方が、トラブルは少ないです。でも、そうすると、全員がほぼ同じ作品しかできない。私としては、あまり意味のある教育とは思えません。

解決策は、回数を経験すれば良いだけです。最初から形の違う素材ばかりから選ぶことができるようになれば、ぐんと知恵もつき、心も成長します。キット化すると、自分で失敗してしまった材料でさえも、返品交換を求めてくるのは、こどもでもさながらモンスターかな?と思ってしまいます。個数無制限の環境設定なら、自己解決できるものです。そして、それは、自分でできることを最初から計画する力がつきます。

グルーガンコーナー

他に電動ドリルコーナー、

ビーズコーナー、釘&ボルト&画鋲コーナーは、それぞれラボのオフィスコーナーにあり、大人の付き添いが必要というルールを設けます。まきびしのように、釘などを踏まないための予防策ですが、こうやってこどもたちは、安全のための手段を学びつつ、創作意欲を育てていっています。

そして、我が子だけではなく全体でこどもたちのサポートをすることができるラボのママたちは、間違いなく私の弟子という感じです。

さて、連休の最後に、もう1組だけ「むらさきズンチャカ」をする予定なので、また新たな環境設定をしました。

木材や釘、工具に興味を持っている子たちなので、どんな作品を作ってくれるのか?楽しみです。

材料や素材は、いろんな場所で少しずつ目についたものをちょこちょこ買いをして貯めていたものです。渋谷ズンチャカのためにざっと5万円ほど買い込んでいます。

むらさきmusicラボでは、貸切対応として、ご予約時にお一人様あたり¥1500の材料費と1時間の貸切料金にて、ある程度の素材を集めてのコンテンツは成立するかな?と思っています。

渋谷ズンチャカのリピーターの皆様も、次年度の本講座がないことを嘆く子は多かったのですが、ラボでも、お月謝内のやりくりの中では、どうしても材料を調達することは難しいと思っています。廃品や、リサイクルでの工作は、随時やっておりますが、やはり自転車ベル、鈴などきちんと音がなるアイテムをこどもたちの満足いくだけ盛り込むには、予算が必要です。

個人的には、やはりこうゆうことはこどもたちの明るい未来のために、企業や自治体の協賛にて、参加するこどもたちには、負担のないところで、でも、みんなが公平に創作できるジャッジを私が見守るという形で、継続できたらな〜と、思っているところです。

大きなプロジェクトが、ひとまず終了です。楽器づくりの楽しさが少しだけでも広まったと信じて。