緊急事態宣言解除以降の「むらさきmusicラボ」のオンラインから新スタイルへの移行期間のふりかえりの記録です。

幼稚園園長の経験を踏まえて、

6月は、長期間「ステイホーム」生活をしていたこどもたちが、それぞれの学校や園に戻ることを最優先にした「リハビリ」の期間とすることとし、それに応じたプログラムを順次おこなってきました。

こちらで、振り返りの記録をさせていただこうと思います。

【最後のウーバーまりせんせい】

4/6から5/25まで、週に1回自転車で回れる近隣の在籍家庭に、教材の配送と、図書の貸し出しに幼稚園バスのようにコース運行という手順で、巡回をしていました。緊急事態宣言期間中は、図書館もクローズしていたので、図書の貸し出しは特に喜んでいただけました。

グループラインに、「まり先生、〇〇家、出発しました」と連絡をそれぞれ入れてくれるので、私はほとんどピンポンを押さずに、皆さんがご自宅で迎えてくれていました。

【5月のささやかフェア】

4月は、まるまるzoomオンラインのみのレッスンでした。5月は、週末の2日間に分散して、ひと家族1回のみ、「ささやか」な登館の手段をとりました。どんなに「ささやか」なものでも、家族以外の交流を断たれ、外出先のないこと、未来の予定がないことを考えればこどもたちにとっては、充分な「フェア」であると思い、そんな「夢」を持たせてあげたいと思い、あえて「フェア」という言葉を使用いたしました。

緊急事態宣言中に許される「お散歩」の範囲として、テラスと屋外でのオープンエアの対応と、パーテーションで仕切った図書の貸し出し、

スペシャルなおみやげとして「くるくるレイン棒」、対面での対応のためには「まり先生の自動販売機」という形で、ビニールで飛沫防止シートを自動販売機形式でデコレーションしました。

こどもたちは、こんな可愛い手作りの「お金」をつくって、「ささやかフェア」のチケットにもイラストを描いてくれました。

 

【6月のささやかフェア】

多様なお店やさん

水族館のような釣りコーナー

緊急事態宣言は開けましたが、まだ室内で一緒にリトミックをする状況ではないので、「ささやか」には変わりがないものの、zoomオンラインリトミックで、それぞれがかなりのスキルをあげてきていて、またこの頃には、zoomでの受講以外にも、Googleクラスルームにも各自が作品の投稿などに積極的にアップを各自がしてくれて、連絡事項もそれぞれに個々にメールをしていたのから、Googleクラスルームに連絡事項専用、YouTubeリンク専用、図書貸し出しの自己申告のストリームなどを活用できるようになり、運営はかなり効率的になりました。

zoomでのレッスン活動の目標として、「ささやかフェア」での作品発表をすえることで、活動のモチベーションとなったと思います。

【zoomオンラインのまとめ活動】

6月の前半は、ラボに1〜2組ずつzoom配信のゲスト出演という形で、お招きしました。4/7から、2ヶ月半、週に2回ずつ継続していた「ラボのみんなとつながる窓」の配信の舞台裏、マイク、ウェブカメラ、ミキサーなどがたくさんの配線で繋がっている様が、こどもたちの記憶に残ってくれる予感がします。

【いちご摘みとバッタ探し、きゅうり収穫】

まず、むらさきmusicラボは、元むらさき幼稚園なので、元園庭だった広大な敷地があり、自宅農園や駐車場としての敷地以外の「芝生の空き地」もあります。農園と果樹園の収穫は、ラボの在籍のご家庭にもお裾分けをしているので、こどもたちもだいたいの収穫物の旬を実体験として感じていることと思います。

不幸中の幸いで、緊急事態の直前に「さくらんぼ」の収穫を、それぞれすることができ、そのあとの「いちご狩り」が、ギリギリ緊急事態宣言あけに間に合った感じでした。

その他、「きゅうり」の収穫のお裾分けもありました。

芝生エリアでは、バッタ探しが流行中。

ミシシッピーアカミミガメ、ニホンイシガメそれぞれの飼育池、めだかのいるビオトーブ、烏骨鶏小屋、鶏小屋など、幼稚園時代からそのままの飼育環境もあり、こどもたちにとっては、我が庭のような親しみのある場所が、屋外にあること。これは、コロナ禍にあって、本当に救いだったと思います。在籍家庭のママから、

「まり先生、青空リトミックやってください」

と、緊急事態宣言期間中にリクエストがあったのも、この芝生エリアがあるからだろうなぁ〜と、環境に感謝しつつ、結局青空リトミックはせずにオンラインとなりました。

【6月の教材 ウォッシュボード】

zoomゲスト時に、ビュッフェ形式で素材(上写真)を選んでもらいました。

メインとなる屋根材の切断は、専門の工具を持っていそうなご家庭のママにご協力をお願いしました。

腰ベルト(マーチングバンドのように)で装着できるようにしているところ、スプラッシュシンバルのような使いどころを特定して、紙皿に鈴などをつけて演奏に上手に活かしている例。

基盤を自宅で用意した有孔ボードで固定のアレンジの可能性が広がるパターン。紙皿のひとつは、前年度の楽器づくりの活動で領布したものを大事にとっておいてくださったことに、とても感動しました。卵は1つは、シェカーにもなるカプセル型。ひとつはざらざらとした感触を楽しめる発泡スチロール製。どちらも4月のイースターのイベント商品を購入したものです。

 

リュックサックを前に装着するようなベルトを装着した例。笛や、バケッタ(演奏する棒)を人間工学的にもバッチリな位置に、自分でデザインできた彼は、普段から工作の腕を磨いています。

 

 

一番下のが、まり先生の見本ですが、こどもたちの発想の「ウォッシュボード」は、かなり独創的です。マーチングバンドのように、腰に固定するベルトがついている「ウォッシュボード」には、紙皿と鈴でできているシンバルのような役割のものもありました。

「ウォッシュボード」で演奏する曲が、「Sir Duke」と指定されていたので、想像しやすかったのかもしれませんね。

【登館練習】

1〜2組ずつがzoomのゲストとなった過程を経て、いよいよリアルでラボに向かい入れる準備をしました。

「木工コーナー」(写真)、「工作コーナー」、「おままごと&フィギュアコーナー」、「コスプレコーナー」(写真)、興味がそれぞれ分散してあまり密にならない工夫をこらしました。

(自由工作コーナーにある素材であっという間につくってくれた自販機 スポンジをシステムに組み込んでいるアイディア作です。)

それぞれ学校や園が終わってから、こられる時間に自由にくる登館を練習するのが目的です。

昼寝をしてからくる子もいて、やっぱり久々の登校、登園は、緊張するのでしょうね。その緊張をときほぐすような、やさしい時間が流れていたように感じます。

【そして模様替え】

6月のレッスンの最終回は、「お誕生会」のため再びzoomをしました。

避難訓練のように、いつまた「ステイホーム」になるかわからないので、用心のためにせっかく身につけたこどもたちのオンライン対応のスキルも保ち続けていけたら楽しいです。

7月は、それぞれのクラス、個人レッスンの枠に戻り、それぞれの時間、曜日にて。

長期貸し出ししていた絵本たちも、返却日にほぼ戻ってきたので、本棚を変えて模様替えをしました。

 

コロナウィルスに負けない生活は、これからもまだまだ続きます。

まだ、大人数でリトミックをすることは難しいので、「土曜リトミック」や「お誕生会」は、当面はzoomに置き換える、または、空間インスタレーションや、「フェア」(作品展)の形式を織り交ぜながら、その都度、一番マッチした形を模索していこうと思っています。

 

7月より、「小学生クラブ」も発足し、学童クラブのように、「滞在型」のラボでの音楽と遊び、創作の時間のチャレンジも始まります。それにともない、リトミッククラスは、「れんげ」「ジュニア」を統合させるコアタイムを設け、ビジターも受け入れます。新規入会で定員が充足され次第、ビジター受け入れは中止します。

8月は、ワークショップ形式となります。

今後とも、むらさきmusicラボの取り組みに応援をいただければ幸いです。