無事に終映いたしました!応援ありがとうございました!

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第786回無声映画鑑賞会

ラリー・キートン・チャップリン 新春ニコニコ大会

2024年1月30日(火)18:30開演

■会場:日暮里サニーホール コンサートサロン

■演目:

●『キートン将軍』弁士:山城秀之、樗澤賢一、尾田直彪(澤登翠の怪我による療養のため代演)

〜〜〜楽曲解説 楽士のつぶやき〜〜

●『弗箱シーモン』弁士:片岡一郎(山崎バニラの発熱による代演)

〜〜〜楽曲解説 楽士のつぶやき〜〜

●『アルコール先生ピアノの巻』弁士:武藤兼治

〜〜〜楽曲解説 楽士のつぶやき〜〜

演奏:坂本真理

告知後、澤登翠先生の怪我による療養で、トリの長尺「キートン将軍」の澤登門下弟子たち3名によるリレー活弁が決まり、彼らとはLINEグループにて、連携ととりつつ当日を迎えました。(代演といえども弁士の台本は自前なので、今回は尾田弁士が執筆した台本をそれぞれのパートの弁士が自分の言葉に置き換えるという作業をおこなったそうです。私はリレー活弁ははじめての経験でした。変わり目、継ぎ目が目立たぬように、音をたてずにすり替わるように交代をする様をシンセを弾きながら目の当たりにしました。努力されたことが感じられる熱演でした。トリの重圧、私も影響されました。

一方、直前に山崎バニラ弁士の発熱による欠番ということになり、澤登門下の惣領弟子 片岡一郎弁士による急遽代演が決定しました。一郎弁士は、過去に私とも「弗箱シーモン」を共演した経験がありますが、とはいえ随分前に説明したきりということで、直前ながらかなりの熱量で推敲されたことと思えるコマめなギャグが盛り込まれた笑いいっぱいの作品でした。

唯一のプログラム通りの演目となった『アルコール先生ピアノの巻』の武藤兼治弁士は、余裕たっぷりで説明された後、裏方としても大活躍されていました。

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以下は、告知(2023年暮れ)時の文です。

「ニコニコ大会」は、成田凌主演の映画「カツベン!」作中にも、喜劇映画ばかり集めたフィルムの切れ端を保管した金属箱をみつけた主人公が、「これで、ニコニコ大会できるやん!」という台詞があり、「チャップリン、キートン、ロイド」といったアメリカ喜劇ばかりを集めたプログラムが、令和の今でも毎年おこなれていて、今年も「無声映画鑑賞会」で担当させていただくことになりました。

毎年、面白いなぁ〜と思うのは、プログラムのタイトルで、「なんとか!ニコニコ大会」と練られたタイトリングとなっております。後半の澤登翠先生の担当される作品、# ではじまるのは無声映画鑑賞会の開催数、そして、タイトルです。

2020 キートンの滑稽恋愛三代記 #740『春爛漫!!ニコニコ大会』

2021 ロイドの初恋 #750 『新春吉例 ニコニコ傑作選‼

2022荒武者キートン#764『世界三大喜劇王 陽春ニコニコ大会』

2023田吾作ロイド一番槍#779『ハロルド・ロイド生誕130年 三大喜劇王ニコニコ大会』

2024キートン将軍#786 『ラリー・キートン・チャップリン 新春ニコニコ大会』

私は、リトミックの先生で、楽団「ぺとら」としても世界の民族音楽のリズムをわかりやすく紹介する活動をしているので、無声映画でも、できるだけ当時の作曲家作品のモチーフや、ラグタイム、チャールストン、ブギウギや、シャッフルさせるリズムの力点など、てんこ盛りです。

前告知の福島公演では、大ホールにグランドピアノ(88鍵盤)ですが、こちらの公演は、コンサートサロンで、シンセサイザー(オーケストラ、アコーディオン音色など)で打ち込みなしの生演奏です。

「キートン将軍」は、アメリカ南北戦争中を描いた作品なので、参考に「風とともに去りぬ」(南部目線)と、「若草物語」(北部目線)を比較鑑賞をしてみました。スカーレット・オハラのペチコートがふんだんに使われた豪華なドレス、ヨーロッパの貴族のような暮らしぶりには、綿産業の発展が大きく関わっていること。「若草物語」の姉妹たちは、北部の洋裁店で市販されるようになった「リボンレース」などを上手に使って、貴族風というよりは、「手作り感満載」の服装だったんだなぁ〜と、再見してみると、いろんな暮らしぶりの南北の差を感じることができました。

「キートン」は、南軍の人として描かれています。

今回のヒロインは、ドジっ子でなぜか余計なこともしてまうところもありますが、勇猛でパワフルな女性です。私が今まで担当演奏してきたヒロインとは異なるイメージなので、ネタおろしの音楽制作は、本当に楽しい作業でした。

「弗箱シーモン」は、2021年に片岡一郎 弁士の伴奏をさせていただた時にご来場いただいた山崎バニラさんの伴奏をさせていただきます。(追記 結果として、2021以来の片岡さんとの同作品の共演でした。片岡さんとは、その後、坂本頼光弁士の代演で『戦艦ポチョムキン』で共演をさせていただいています。

「アルコール先生」というのは、チャップリンの別名ともいえる愛称だそうで、こちらの作品は、ピアノ運搬業をなんと!ロバで行う業者の物語です。