コンサート 満員御礼!

 

2025年11月3日、とても素敵な場所にて、心温かなスタッフの皆様の見守りのもと、満員御礼のお客様と中世のお祭りのような「参加型」コンサートにて演奏、ロービング、練り歩き、ファランドールを満喫させていただいたことをご報告いたします。

演奏終了後、個別にお客様方から楽器の名前や奏法などのご質問や、ご希望の方には、太鼓体験などもしていただいて好評でしたので、主に私の担当しているパーカッションについて簡単に解説をさせていただきたいと思います。

私の主宰している〜古今東西の楽器を時代をかき混ぜて演奏する楽団「ぺとら」は、2007年に「古楽でラップ」でデビュー。府中市郷土の森博物館で大道芸ライブなどで、中世の放浪楽師的な研鑽を細々と積み重ねてきました。

欧州古楽器のバグパイプの仲間たち、クルムホルン、ゲムスホルン、ハーディガーディなどを演奏される近藤治夫 さんは、創設時からのオリジナルメンバーなので、2025年現在、メンバーとしては18年間の信頼関係で頼らせていただいています。「ぺとら」は、私がバンマスなので、お子様むけに全振りしているのですが、今回は、久々に近藤さんの公演にゲストとして呼んでいただいているので、選曲も、シンセサイザーの音色選び、どのパーカッションを使用するのか?も含めて念入りにリハーサル時に近藤さんに厳選していただきました。

今回は近藤さんがバンマス!
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ハーディガーディを奏でる近藤治夫さん

プログラム   とパーカッションについて

楽器は、前が近藤さん/後が私の担当の打楽器です。近藤さんの楽器については、簡単な表記となりますことをご承知おきくださいませ。MC中に、近藤さんがご案内したとおり、近藤さんは様々なタイプのバグパイプや古楽器を織り交ぜて演奏されています。

そして、古楽コンサートなのですが、私の楽器はブラジルやアフリカ由来だったり、いろんな国の楽器を模した手作り楽器もあります。他の古楽のコンサートでは、ありえない組み合わせもあるのですが、それも趣としてお楽しみいただけれたら幸いです。

1 プティ・リャンズ  

 G管バグパイプ/アウファイアAlfaia
……現在は、ブラジルの赤道近くの暑い地方の「マラカトゥ」のお祭りで使用される両面太鼓です。移民が始まった頃のポルトガルの楽器の特徴を残していて、ボルトではなく紐でチューニングをする方式を今でもとっています。金色の布やミュートの板を打面につけているのは、私のオリジナルで、東欧やトルコのリズムを演奏しやすくするカスタマイズです。(これについては、ラスト楽士のつぶやき部分で熱く語っております)
        

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近藤さんも私も所蔵楽器の撮影、録音に協力させていただいた小学館図鑑「NEO 音楽」通常盤と、ポケット盤。私の自作楽器など。

2 キャトル・ブランル

プレトリウス・バグパイプ/ロービング 羽のついた鳥のマリオネット

ロービングというのは、ステージに拍手とともに登場するパフォーマンスではなく、ぬるっと何かやってるなぁ〜といった開演時間前にホールロビーなどで行われる大道芸パフォーマンス…。近藤さん主宰の「ジョングルール・ボン・ミュジシャン」でゲストに呼んでいただいて大道芸活動をする時用に、いろんなパフォグッズを揃えました。演奏だけではなく、ちょっとした目を引く芸をするというのは、中世の放浪楽師っぽいですよね。

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緑がいっぱ 光がいっぱいの素敵な空間で演奏させていただきました

パヴァーヌ”Belle qui tient ma vie”

ゲムスホルン(牛の角の笛)/シンセサイザー 手回しオルガン音色

私は、無声映画もほぼシンセサイザーを使用してします。和物のチャンバラ映画では、和楽器、和太鼓、「クレオパトラ」や「アフリカ紀行もの」などは、民族楽器オンリー、そして、アメリカコメディでは、ホンキートンクピアノなど、時代と地域にあわせた鍵盤楽器の音色を使い分けています。

ここでは、ヨーロッパの街角でみかける「手回しオルガン」の音色にしましたが、「ポルタティーフオルガン」にも聴こえたかもしれません。ゲムスホルンと調和できたアンサンブルだったと思って、メモをしておきますね!タイトルのリンク先は、近藤さんが関係する団体の演奏です。

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中央にある大太鼓がアウファイア 奥にはお客様体験用のブラジルのパンデイロ、アフリカのトーキングドラムなども

4 シャンパーニュのブランル

クルムホルン/シンセサイザー ハープ音色

この曲は、近藤さんも、私(個人とむらさきmusicラボ)も参加を予定している「ススキと光のハーモニー」のパレードでも演奏されるテーマ曲にも一部が使用されています。これから、物語が始まりますよ〜〜というワクワク感のある古い古いお祭りを感じさせる曲ですよね!
ハープ音色は、シンセではたくさん組み合わせができるのですが、これは中世風に持ち運びが可能なタイプ「琴」の仲間の音にしました。

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鳥のマリオネットでロービング中

5  エスタンピーレアル7番

パイプ&テイバー/自作楽器(ロバの脚)グングル、セミーヤ(チャフチャス)

パイプ&テイバーは、近藤さんが精力的に活動をしている団体もあり、練習会や神楽坂の化け猫フェスティバルのパレードにも参加をしている大人気の楽器です。歩きながらも演奏ができる楽器と楽器の組み合わせのスタイルなので、パーカッションも何か「機動力」のあるものが良いと考えて、自作楽器と足首などに付けられるだけの鈴類を装着しました。
自作楽器は、ロバの音楽座のコンサートで「ロバの脚」として、登場されたのを見よう見真似で自作をしたものです。メインの鈴は、韓国の骨董街で買い求めた日本統治時代のものだそう。グングルは、インド舞踊で足首につける鈴で、同じように足首につけていたのは、手に持つペルーのラットル「セミーヤ」を改造したものです。
(チャフチャス)は、ペルーの伝統楽器でアルパカの爪を集めたラットルなのですが、見た目がちょっとグロい!!!なので、それを「マイチル」の実で模したものが「セミーヤ」になります。このようなラットル類は、手作り、応用も簡単で、「ペットボトルのキャップ」でも作れるので自作希望の方は作り方をリンク先でご覧ください。

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遠方から、はるばる「むらさきmusicラボ」の生徒さんが応援にきてくださいました!

6  ハンガリアンダンス~ウンガレスカ

ハーディガーディー/ペダルシンバル、イタリアンタンブレッロ

ハーディガーディは、音の要素がたくさんある楽器で、曲はじめには、集中して聴いていただきたいので、邪魔にならない足で踏む小さなシンバルを使いました。これは、障害のある方や小さいお子様がピアノ鍵盤のように音を楽しむことができる療育楽器です。タンブレッロは、本プログラムでは、唯一の欧州楽器で、古楽らしい楽器ですね。

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「むらさきmusicラボ」私のパーカッション練習&オンラインレッスンスペース

7  ジェッディン・デデン 

ラウシュプファイフェ/アウファイアAlfaia

前述のアウファイアAlfaiaをトルコのダウルの奏法で、裏面を菜箸のような細い棒で叩いています。
ジェッディンデデン Ceddin Deden』は、トルコ共和国(オスマン帝国)における伝統的な軍楽メフテルの有名な楽曲。邦題は『祖先も祖父も』でドラマ「阿修羅のごとく」のテーマ曲としてよく知られている曲ですが、今年は、タイトルにリンクした「関西EXPO」のトルコの曲として、若い世代にも知られるようになったそうです。

8  庭の千草

ヒュンメルヒェン(小型のバグパイプ)/シンセサイザー ナイロンギター音色

ちょっと横道に逸れますが、私にとって、この「庭の千草」は、毎年2月のおおたか静流さんの近江楽堂のコンサートのタイトルで、テーマ曲で、静流さんとの思い出がいっぱいで胸が詰まります。今回のコンサート会場も天井が高く、ヒュンメンヒェンの音色が空に吸い込まれるようでした。

9  ベルギートラッドメドレー

C管バグパイプ/シンセサイザー オーケストラ音色 ハープ音色 サントゥール音色

古楽は、ざっくりいうと中世、ルネサンス、バロック時代(およそ5世紀~18世紀前半)の西洋音楽で、モーツァルトなどの「古典派」よりも前の音楽で、民族音楽、トラッドは、ほぼ同じ意味で、古くから伝承されている音楽に変わりはないけれど、地域と結びついている意味で表現されていると思います。そして、私見ですが、「トラッド」というと、ヨーロッパのパブやフェスで、現在も老若問わず親しまれていて、私のFaceBookのタイムラインを眺めると、しょっちゅういろんな若いトラッドのアーティストが来日しているイメージです。本プログラムでは、そんな気楽なセッションを再現したコーナーとなったと思います。サントゥールは、イランの打弦楽器(ピアノの祖先の仲間)です。今回、リハでは、ハンマーダルシマーなど、いろんな地域の同種楽器の音だし比べをして楽しかったです。無声映画シンセ職人の私としては、打弦楽器では、ハープのような単純なグリッサンドをせずに、ちゃんと弦の並び順にわざわざ鍵盤を弾いて再現性を高くしています。
シンセによる各種楽器のモノマネ大会があったら、いつかきっと出場したいと狙っています。(笑)

10 カサ・ロサーダ

近藤治夫 オリジナル曲 G管バグパイプ/シンセサイザー RichGrand ピアノ音色

近藤さんのオリジナル曲は、いろんなバンドごとに、様々なアレンジが施されています。私のおすすめは、「シュトカプー」(チャーリー高橋さんと各種達人たちのコラボ)でのチャーリーさんのボサノバコードのギター、ジェンベの岩原大輔さんのリズムで支えられるバグパイプの威圧感のある鋭いスピード感の調べ。
これは超えられない。悔しい。
この思いが、楽団「ぺとら」では、ぶっとびすぎて、オリエンタルパーカッション立岩潤三さんにリズムで支えてもらいつつ、シンセで旧アナログシンセ系の音色を駆使して遊んでいたのですが、今回は、近藤さんから「ジャズピアノ」っぽくというリクエストだったので、リッチピアノ音色にして、ジャズコードを多用して弾いて遊んでみました。ジャズコードで弾いてはおりますが、小曽根真さんよりは、ミッキー吉野さんっぽいリフをつい弾いているなぁ〜と思って即興で遊ばせてもらいました。

アンコール ファランドール 「道化師のブフォン」(略称)

中世の広場で民衆たちが手を次々につながって輪になって踊る風景を再現した趣向を最後に催させていただきました。車椅子、ベビーカーのゲストもいらっしゃったので、広場のようにはいきませんでしたが、体験型、参加型のコンサートという雰囲気が醸し出せたのではないでしょうか?ご参加くださった皆様、ありがとうございました。

さて、次回予告!楽団「ぺとら」

次回のバグパイプ近藤さんとのコラボは、私がバンマス楽団「ぺとら」で毎年恒例のお子様むけプログラム保育園公演です!
中世の音楽、バグパイプ演奏にて、中世の民衆のダンス「ブフォン」を保育園のこどもたちと踊る予定です。(クローズ公演なので、あとでYouTubeにてご報告しますね)

そして、

まもなく情報公開 無声映画伴奏予定!

まだ、情報公開前なので、空港ピアノの風景を代わりに置いておきます(笑)
次回の作品も毎年恒例、7年めの連続出場となる「アメリカ・コメディ」特集なので、上記動画のような「スラップスティック」演奏というスキルを駆使した作品群となります。前回は、「吸血鬼と鳥人」だったので、ダークと悲哀、憂を和洋で表現させていただきましたが、次回は安心して笑っていただけます。


過去に音楽を担当した無声映画作品のアーカイブはこちら。
note では、ご来場のお客様からのご質問の多い、クラシックモチーフ曲の曲名などを記録しています。ご興味のある方はこちら

最後に 中世の放浪楽師について モノ想ふ〜無声映画楽士のつぶやき

中世の放浪楽師 ジョングルールの「楽師」

無声映画 落語、講談など話芸が発達した日本独自の「活動大写真 活動写真弁士」略して「カツベン」を伴奏するものとしての「楽士」

どっちも、レアで知ってる人よりも知らない人の方が多い「ガクシ」というワードにとても近くいるワタシについて、ふとモノ想ふ。想う。

昔々の中世ヨーロッパでは、音楽とともに芸や時事ネタニュースなどを提供しながら音楽を奏でる楽師たちがいた。
別に宮廷でお抱えの楽器を奏でる使用人お抱え楽師もいて、
無声映画の楽士では、そんなシーンにぴったりの音もあてることがあった。

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Three Ages | Buster Keaton  18:20あたりの映像スクショ

パブリックドメインになっているThree Ages | Buster Keaton、放題は「キートンの滑稽恋愛三代記」という「イントレランス」のパロディのような作品の中で、当時のミストレル:宮廷お抱えの楽士を演じるキートンが、リラの仲間の竪琴(ここでは、ぼんやりと記します。リラの仲間もたくさんあるため 詳しくは図鑑NEO音楽を参照を推奨)

私は無声映画楽士業界では、希少なシンセ奏者なので、犬の鳴き声がでてくるこの作品は、何回かやらせていただきました。そんななか、ひとりでつっこむ。

「楽士が楽師の音をぴったりにあてる 字余り」
心の俳句 by  まり

たったこれだけの秒数のために、リラの弦の配列、チューニングを調べる。
そして、シンセのピッチベンドのレバーを操作して、映像とシンクロして、リラをチューニングしている音を出す。

本物の映画だったら映像データにプロツールでサウンドトラックで埋め込むことをリアルタイムで、フィルム上映で生演奏するのが、私の楽士としてのミッションです。

近藤さんとご一緒させていただく「中世の放浪楽師」の活動は、これに似てるなぁと思うのです。
演奏で遠くから「やぁやぁ、何かやってきた」と伝わり、遠くから人々が集ってくる。集ってきたひとたちから、何がしかの芸をみせて投げ銭を集める。
「ノートルダムの鐘」は、無声映画では「ノートルダムの傴僂男」で、このような放浪楽師たちが潜んでいる場所の描写もある。
「楽士が楽師の潜んでいる場所を音楽で表しているよ」(心のつぶやき)

前述「イントレランス」では、中世のフランスが舞台の構成もあり、バグパイプを背負って、家の周りに呪言を伝えあるく楽師たちも登場した。もちろん、私は、近藤さんの所蔵楽器を思い起こしつつ、「コルヌミューズ」に近い音をシンセで調合した。

話は飛ぶけれど、

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笛を吹く少年 wikiより転載

有名なこの絵にでてくる笛はフルートではなく「ファイフ」(Fife)で、
私が今回、叩いた本来はブラジルの大太鼓のアウファイアAlfaia をわざわざ布や消音板を使ってカスタマイズしているのは、この笛とともに戦場で鼓舞を誘う大太鼓に近づけたかったことも一因。(もうひとつは、東欧のパーカッショニスト来日時に、直々に方法を教わったから)

戦争時、命懸けの戦闘を鼓舞するドラッグ的なリズムを掻き出す太鼓は、無声映画では、「肉体と悪魔」グレタ・ガルボ主演にでてくる。

そのような戦闘時のBGMを担う彼らも、楽師なんだろうなぁ〜、と思いつつ、楽士の私が演奏する。

近藤さんとの長い長いユニット演奏活動の年月で、「ぺとら」においては、ほぼノーリハ、行きの車中の会話で、レパートリー演目の確認をする程度だったけれど、今回は本当に久々に「近藤バンマス」での中世の放浪楽師プログラム(あまり古楽を知らない人でも親しみやすい秀悦な選曲!)だったので、リハと本番の間の数日間、楽譜を整理したり、楽器を梱包したり、シンセの音色をアサイン(入力)する作業をしながら、「楽師」「楽士」の二つのワードを脳内で行き来して楽しみました。