4回連続での「リトミック講座」も、いよいよ最終回。
これまで無声映画の本番前に興行主さまの指示で受けることがあった「PCR検査」を、今回は自費で会期中、毎週、4回にわたってクリアして臨みました。
「シニア層中心のリトミック講座」(シルバーリトミック)を4回連続(1回は前半1時間、後半1時間の2時間2コマ)という長丁場なので、途中で脱落せずに、最後まで楽しいまま綺麗に終わるためにはどうしたら良いのか?
自分なりにたくさん考えたやり方は、「リトミック」の外郭から埋めていく独自のカリキュラムを組むことでした。
1回目では「様々な楽器に触れるシャワー体験」のプログラム「リズムクエスト」を実施し、座学では「リトミックが生まれた時代背景」、リトミックの身体表現では、歩くことをベースにしました。プレイバルーンと暗闇、イルミネーションで楽しい魔法もかけました。
2回目は、「サウンド・スケープ」の考え方を紹介した後、「オリジナル楽器実験室」として、手を使ってイメージした音を整える製作作業をしました。それぞれのご自宅から持ち寄った様々なサウンドパーツが楽器となっていく様をお互いに褒め合う評価を受講生の皆さんがしていたのが印象的でした。
3回目は、「音と線」を主軸に「クレヨンで音を描く」体験の後、「リズム積み木」を使って、音符の時価の説明あと、ひとりずつ「リズムパターン」を作曲する作業に挑戦していただき、その場でそのリズムを私がタンバリンで叩いたり、ピアノでメロディをつけて演奏しました。受講前には、「リトミックって大丈夫かな?」と思っていた皆さんが、まさか音符を操って作曲までこなして、それを先生に演奏してもらう絵図は、ほとんどの方が想定外だったかもしれません。最終的には、この日は「プラスティック・アニメ」(音楽を演奏するように身体で空間表現=見える音楽)まで、蝶の羽や新体操リボン、馬ローディなどを駆使して華やかに幕と閉じました。後半は、音楽史レクチャーで、身体はやすめていただきました。
4回目は、「世界のリズム」と題して、楽団「ぺとら」3名で担当させていただきました。これだけ「リトミック」や「リズム」について歴史や「その都度の目的」などについて受講者の皆さんとともに考察をすすめていくと、もはや「世界のリズム」を攻略していくことに何の躊躇もなくなってくる頃…という計画でした。
リトミックは様々な先生によって、アプローチも異なるので、ひとつひとつを確実に「できあがるまで見守ってから次に進む」という方法もあるかと思います。外郭を固めていくうちに、なんとなく「その中の人」になってしまう方法は、私が、長い幼児教育(園長としての)経験からくるものかもしれません。
さて、2021年、コロナ禍中(緊急事態宣言中)、ソーシャルディスタンスは必須、さらに少人数、随時換気、全員がマスク着用という条件下で、プログラムと時間配分にはずいぶん試行錯誤をこらしました。
プロジェクター&スクリーンの活用は、ディスタンスをとる講義では、とても助けとなりました。
フリップボードも活用中。
最終日には、初回から予告をしていた受講者の皆さんそれぞれのコスプレ参加も華やかでした。
大変贅沢なことですが、ぺとらメンバーによるレクチャーコーナー。
バグパイプ製作家、演奏家 近藤治夫さん
オリエンタルパーカッション 立岩潤三さん
ぺとらメンバーによる「アフリカンリズム即興」
受講者の皆様には「世界のタンバリン」を手にコラボ参加していただきました。
宴もたけなわという感覚は、私は久々に感じましたし、受講者の皆さんも「ぺとら」とのセッションタイムを楽しんでくださいました。
コロナ禍なので、楽器をそれぞれ持ってのセッションは、これくらいのディスタンスがないと難しいので、この機会は本当に貴重だと思いました。地下なのですが、換気のできる窓も随時開放しています。
お仲入り後は、椅子をディスタンスをとったシアタースタイルに移動しての「ぺとら」コンサートです。
プロジェクターに演奏曲目と楽器名をその都度、インフォメーションしています。
絵物語「長い髪のサーカス少女」は、歌いながら、ピアノ弾きながら、絵のスライドもスイッチしました。(笑)
「リトミック」は、こども向けのものと思われがちですが、受講者の皆さんの素晴らしい反応のおかげで、「立派な大人のアクティビティ」として成立した4DAYS 8時間でした。
本講座には、本当にたくさんの機材、楽器を搬入させていただきましたが、施設職員の女性スタッフ2名❤️が、本当によくつくしてくださいました。彼女たちの尽力なくしては、このような雰囲気の良い空間はできなかったと思います。
現在の私は、幼児、小学生、中学生のラボ生徒の他、毎月、3つの保育園にて巡回指導もしており、そのうちベビークラスも受け持たせていただいています。ラボにも、打楽器の個別レッスンにご来館くださるシニア層の方もいらっしゃいますが、出張での講座として「シルバーリトミック」のタイトルを持たせていただいたことは、『幅広い年齢層の指導を手がける』という私の夢を叶えるものともなりました。
次年度も、がんばりたいと思います!
最終日後半コマ 「ぺとらの世界のリズム セットリスト」
ジェッディンデデン(トルコ軍楽) |
サルタレッロ(古楽) |
Hellebore / Too late to sleep(ベルギー トラッドグループ曲) |
カッチーニ・アヴェマリア |
カサロサーダ(近藤治夫 曲) |
長い髪のサーカス少女(坂本真理 曲) |
JOY〜星の輪(坂本真理 曲) |
AC 素朴な疑問(受講者の感想編)即興セッション |