渋谷ズンチャカ 

にて、3年間にわたって大好評だった「オリジナル楽器実験室」プログラムをリトミックの視点からブラッシュアップして公民館市民大学講座プログラムとして、カムバックしました!

渋谷ズンチャカでは、参加費、材料費とともに企業協賛していただいていたので、予約や先着順の競争を勝ち抜いたお客様方は、エントリー後にその場でビュッフェ形式で素材を組み合わせて製作に入られていたのですが、今回は、通念で様々な講座を受講されている実力を鑑みて、手作り楽器の基盤になるものや、サウンドパーツに関しては各自調達の宿題とさせていただきました。

まずは、環境設定のご報告

1)ご自由にお使いください。Fromラボから鈴などのサウンドパーツ、ビーズ 、針金、糸、ビス、釘など、楽器づくりに「あったらいいなぁ〜」と思うグッズを経験をもとにラインナップいたしました。

2)楽音、自然音 体感楽器セッティング(全体図)

楽器の音を聞き分ける聴覚のレベルがだんだんに上がっていくラインナップとなっています。

3)レインスティック〜雨の音

木の実のロープラットル(チャフチャス)、TELLO《テージョ》 、セミーヤ / アンデス楽器のラットル]〜〜〜〜〜風や木の葉の音

4)鳥や風、小動物たちの笛など

5)釘や鍵の音の世界

6)素材あれこれ 【鈴】

7)素材あれこれ 【拍子木 クラベス】木の音

8)あ〜ら不思議 楽器の音がだんだん「ドレミ」に聞こえてくる〜〜セット

いろんな音に慣れて耳がひらかれた状態になってくると、微妙な音階に近いチューニングにも気付くことができるようになります。

様々な「どれみ」音のラインナップ。

この順番で楽器レクチャーを聞いていると、なんだか「楽器を作る意欲」がモリモリ湧いてくる催眠術というか、そんな魔法をかけていく感じです。

9)製作スタート

私が提供するサウンドパーツや針金などの説明と。私がお手伝いした方が良いことのご提案。

穴をあけたり、針金で繋いだり、グルーガン (ホットボンド)など、いろんな工具を使ってサポートしました。普通のハサミで切りにくい筒状のペットボトルなども、引きバサミをつかうとするっと皮をむくように円周に切ることができます。ハサミも用途別ですが、木工ボンド、セメダインなど接着剤なども用途によって、使い分けをすることが有効です。

リトミックは、「身体の運転術」、コントロールを身に着けるための「ツール」だと思っています。

楽器づくりで感じられる力の塩梅、コントロールを身体に刻み込んで、「イメージした音を出したい」という欲求をまずは感じてほしいと思っています。そして、次には楽器がなくても、身体が楽器となって、イメージした音を空気、空間で奏でられることにつながると思うのです。

10)まり先生の製作サポート

お店屋さんのように、次々と「サポート希望」「アドバイス希望」の皆さんがご来店です。大忙しでした。

受講者さまの作品の一部。/コカコーラ缶の中に王冠が入っています。竹籤部分を鞭のように打ち鳴らすことで、「馬のなみ足」のようなサウンドを醸し出します。/水の量をそれぞれ変えたペットボトルの中に石が入ったものを宿題として製作もされていました。/ペットボトルの円周とジャーボトルの蓋がシンデレラフィット!箸を切り落として赤ちゃんのガラガラのようになりました。

11)ブレイクタイム

ここいらへんで、すでに楽器製作終了モードになって暇になっている方々がでてきていたので、「楽器あそび」のブレイクコーナーを設置しました。「オリジナル楽器実験室」でのワークショップを経験すると、すぐにまた他のものを作ってみたいと思うし、いろんなアイディアに敏感になってくるものです、そんなツボをおさえた「手作りアイディア」「メーカー製品でおもしろい音の出る楽器」のコーナーを設けたひとときを演出しました。

 

12)リトミックタイム&セッションタイム

作った楽器を使って演奏したり、自然に身体を動かしたりする時間です。

私のリトミックは、外堀から体験を埋めていき、身体の中から「表現してみたい」気持ちを沸き起こすために、打楽器演奏や、製作など様々なアプローチをおこなって、最終的にそれでリトミックへとつなげていくことが多いです。

自作楽器、様々なテイストのものと一緒にセッションするときのコツは、ご説明したとおり「絶えずズンチャカとかき鳴らす」のではなく、「ここぞ!」というタイミング、チャンスをみつけて音を鳴らすことです。

曲想をつかむことも、大事な要素です、

ここでは、「オペラ座の怪人」「てんとう虫のサンバ」など、皆さんのリクエストにお答えしてピアノで伴奏をしました。

 

 

13)次回(3回目)と最終回の予告

次回のメインテーマは、「音と動き」、そして、時間をみて「まるっと音楽史」も、初お披露目となります。

心積もりが必要な「最終回」へのアプローチへの皆さんの意欲もかんじられました。

14)まとめ グリーティング

最後にご紹介したのは、私の宝物「鈴コレクション」です。例えば、アウトドアショップで購入した「熊よけ鈴」には、登山用のカラビナがついていたのですが、その音色から私は「蝶」をイメージしました。それで、チロリアンテープの一部を切り取って「蝶羽」のようにして、鈴をドレスアップすると、音色も本当に羽が生えたように感じられて気分があがりました。

房あしらいももよくしますし、イヤリングやブレスレットを解体して鈴をおしゃれすることもあります。美しいものとの調和をいつも感じていたいと思いますし、合理的な所作を優先させることで、結果的に美しくなることも多々あります。

リトミックは、「正解」がなく「ゴール」もないものと考えています。

楽器を含め、リトミックの教具たちにも、私は毎回、手を加えてメンテナンスをしながら育てて美しく進化をさせていっています。

それは、演奏でも、身体で表現するリトミックでも同じことだと思っています。

 

さて、第一回目のプログラム「リズムクエスト」で大きな太鼓などの打楽器に慣れ親しみ、リトミックの考え方や、音符の仕組みを知っていただき、第二回の今回の「オリジナル楽器実験室」で、だんだんと、「リトミックって楽しいなぁ」「自由に表現したいな」という気持ちが育ってきたことと思います。

リトミックへの外堀は、もうだんだんと埋まってきたはずです。

次回は、いよいよ一番、身体を動かすプログラム、アクティビティがいっぱいです。

どうぞ、よろしくおねがいいたします。