1/21 午前中、ラボの土曜クラスリトミックを終えて、今日は、私自身のレッスンの日。

ここ数年のマイテーマは、パンデイロ小澤師匠が、今際の際に「まずフレームドラムを習って、パンデイロが世界のタンバリン族のひとつという立ち位置で、小澤パンデイロコレクションを成立させるように」と与えてくれた使命を、ひとつひとつ、できることからステップを進めているところです。

これには、前例がないし、正解がないのですが、いろんな方に教えを請いつつ、自分の今までの経験と、これからの未来の展望とで、実現可能なことから埋めていく方法で、

ピアノのバイエルやツェルニーのように、段階を踏んでステップアップしていくのとは異なるので、なかなか人の理解を得られないのですが、フローチャートや、脳のニューロンのネットワークの広がりのように、新しく得た知識とテクニックをつなげていく感覚で、自分自身のスキルアップを心がけている次第です。

タンバリン博士こと、田島隆さん(現在はホームページは閉鎖中なのですが、タンバリン田島で検索されると、テレビ映像など、いろんな情報が出てきます。)は、日本で唯一のタンバリン専門のプレーヤーで、毎年、ドイツで行われるフルームドラム、タンバリンの世界大会に、日本代表として参加されて、海外でも有名な第一人者です。そして、プレーヤーとしてだけではなく、ご自分で工夫された楽器「タジバリン」を発明されたり、製品としてのタンバリンを製作されたりもしています。そして、現在、東京、京都、神戸(私の知る限り)で、タンバリンの教室を持っていらしていて、私も時々受講させていただいたり、幼稚園にもお招きして、浜松の楽器博物館で好評だった「ポルトガルの四角いタンバリン アデュフェ」を園児たちが、一人1個作ったりしました。

今回は、たまたまタイミングが合い、幼稚園時代に来てくださったころとは、まるで違う状況(園舎がなくなりラボのみが敷地に残っている)に、びっくりされつつ、そして、1年半前には、ラボは、まだ荷物は入っておらずガランとしていたのに、今は、もうミニ幼稚園くらいにぎっしり生活感が滲みでている教室オーラに、びっくりもされていたと思います。

まずは、私のレッスン。音楽のジャンルによる楽器の選び方。アラブのタンバリン「レク」の意外な応用方法。ポルトガルのアデュフェの基本奏法などを伝授していただきました。

そして、ダメ元でお願いして、心よくご承諾いただいたのは、高校1年の息子への楽しい「音楽の授業」。

 

大手音楽教室の規制のレッスンでは、あらかじめ教わることが決まっていて、教わりたいことを教わるまでには、じっとそれまでは、道の途中とふんばることが必要ですねよ。

もちろん、それはそれで、例えば、「方向性も決まっていて、その道の先輩に最短距離で近くため」には、合理的です。

でも、息子の場合は、思春期まっただ中。自分がやるべき楽器も、音楽も好みのジャンルが少しずつ定まってきたくらい。迷路の中の人です。

そんな息子。

今まで、いろんなレッスンや体験をしてきた中で、今回が一番、ストン!と自分の中に落ちたそうです。

「俺が教えて欲しかったこと。やっと教えてくれる先生に出会えた。だって、俺がyoutubeで聴いて、自分の耳ではわからなかったことを、さっと、その場で一緒に検索して視聴してくれて、それを目の前で、『こう弾いていたんちゃう?』って、やって見せてくれたんだよ。こんなことって、ある?俺、これを部活(軽音楽部)でやったら、ヒーローだよ。すごいよ。コードを教えるじゃなくて、テクニックを教わって感じ。」

16歳の息子の話を聞いて、なるほどな、と思ったのは、「悟り世代」というか、「知らないことはネットで検索する」が当たり前で育った若い人たちは、どうやら、「検索して得られない情報」と、「検索すればいつかわかる情報」の差が、あたりまえの感覚としてあるようなのです。

残念ながら、私は、どう検索すれば良いのかも、わからないことが多々あるのですが、教育方法論でも、クラスのみんなが解答できるまで待つ時間が不合理なので、タブレットで、瞬時に「正解ピンポン」が鳴った方が、モチベーション効果があるという意見もありますよね。

音楽のグループレッスンでは、他の人の演奏や、失敗も、自分の勉強になるし、先生のアドバイスもたくさん聴けてメリットが多いのですが、「知りたい」とか「独学で勉強する手順を知りたい」場合には、マンツーマンに向き合ってくれる師匠は、ありがたい存在だと思います。

今回は、ギターを中心に教えていただいたのですが、実際に息子のギターを見ながら、その特性を教えてくれて、傾向と対策をまとめてくれました。タンバリンのみならず、様々な楽器を演奏できる博士ならではのアドバイスを息子から話に聞いて、私も思ったことがありました。

そうか!

「楽器屋さんに相談じゃ、ダメなこともあるんだ。」

息子が音楽の迷子になると、当然、私も巻き添えで、実は、部活に入ってからここまでの数ケ月。「楽器フェア」とか楽器屋さんを巡っては、いろんな情報を収集しようと親子で頑張ってきました。私は、音大を出て、音楽を仕事としてはいますが、息子が知りたいことで、知っていたことのためしがありませんでした。息子と一緒に、エフェクター屋さんに行ったりして、一緒に情報を得て、夕飯時に情報交換という感じで、わからないもの同士の会話をしていました。

エフェクターをダイレクトにつなげるデジタルアコーディオン、コーラスエフェクター、ヘビメタ用のダブルキックペダル。(納得して使いこなせそうと判断したら購入の覚悟で結局全部、買わずに試奏だけさせてもらってしまいました。)

今の息子には使いこなせないようなものとわかるものでも、楽器屋さんたちは、買う前提として説明をしてくれていました。でも、息子にそれが必要かは、そこには関係なかったのだとこうして、息子のためのレッスンを経験させてみて、親子で初めてわかりました。

田島さんは、いろんな楽器やジャンルを習得してく中で、いろんな音楽の中での勘やバランス感覚を養ってこられたのだと思います。だから、息子が音楽の中で、知りたいことを感じてくれて、そこを添え木のように、サっとサポートしてくださったのが、今回のレッスンだと感じました。

息子は、中学生までは、水の生き物に夢中でした。20歳の娘は、演劇畑です。ブログに私の子育て経験の記録もあります。

 

タンバリン博士の私へのアドバイスと合わせて、宿題も2つもらいました。ひとつは、まずは、自分のアデュフェを改良するところから。もうひとつは、タンバリンのエチュードのオリジナル譜面をいただきました。次のタイミングまで、取り組んでみたいと思っています。

 

 

ところで、この記事を、このページに書いたのには、ワケがあります。

実は、ラボでも、

私が、そんな風に、みなさんのニーズに寄り添ったレッスンを行おう!というカテゴライズをご用意しております。

お子様向けには、「リズムクリエイション」という個人レッスン。

「作曲」をするという技術的な体験に絞らずに、ラボにある楽器を自由に使って、「やってみたいこと」を見つけるセッションです。2/11の発表会でも、生徒の発表をさせていただきます。

大人の方、またはグループで、ラボを訪問したい。楽器を試奏したい。音を出しながらの空間を体験したい、といった楽器博物館的な有料コンテンツの用意もあります。

 

田島先生のレッスンを親子でそれぞれ受講させていただいて、

ラボのレッスンコンテンツも、結局は、自分自身のニーズだったのだなぁ〜、と感じた1日でした。