【新宿東口映画祭2023提携企画】

【第三回カツベン映画祭】

Aプログラム/『國士無双』、『デブ君の漂流』

 

後記 大嵐の中、賑々しいご来場を賜り、御礼いたします。

思えば、2021も、2022も雨でした。そして、2023は、消防車まで雨水を汲み上げに出動するような新宿の景色。そして、雨のスキルが高まった出演陣は、長靴など雨の装備もバッチリ!

3回目ということもあり、今年は、各出演者に必要なものを聞き取りをして進行表、配置図なども書いたり、音響チェックをする場面も多く、かなりの裏方度でした。

山崎バニラさんが、ブログにも私の名前を出してくださっています。

カツベン映画祭のために、マツダ映画社が、新しいピアノも買ってくださいました。

マニュアルのようなレビューも書いてしまいました。

 

イベント会社や音響の業者を通さずに、マツダ映画社主催で、若手弁士たち総出で裏方もし、出演者たちも自分たちができることをできる限り自律しておこなう手作りの映画祭。

普段、弁士たちはそれぞれ独り立ちして興行をしていますので、一同に会する機会は滅多にありません。貴重な情報交換の場となり、話に花が咲きます。楽士も弁士とは伴奏をする立場でいろんな弁士と関わりますが、楽士同士のトークとなると、本当にレア。いっぱい話をさせていただきました〜。

「カツベンの輪」みんな、同じものを大切に思う仲間なんだな〜と感じます。

ほとんどの弁士たちが、他の回のプログラムも熱心に見入っていました。初出演のピアニストさんも巻き込んで、今年は、鍵盤のそばにサポーターとして、譜面落ちなどのアクシデントに備える係をつけました。

幼稚園の運動会みたいだな〜って、あたたかい気持ちになる1日でした。

8時集合、21:35が、最終プログラムの終映。そこからバラシ(撤収)。

充実でした。

後半は、『デブ君の漂流 Fatty And Mabel Adrift』/1916年(大正5年)米・トライアングル・キーストン社作品【27分】

弁士は、縁寿 (えんじゅ)さん。演奏は、神﨑えり(こうざき えり)さん。

お二人とも精力的に活動をされているので、是非、ご活躍をフォローしていきたいと思っております。

上映時間 6月2日(金)10:00の回(各プログラム1時間ほど)

料金 ¥2,000均一 / 全席指定

〇オンライン予約販売:5月19日(金)正午より
オンライン予約サイト

〇劇場窓口販売:5月19日(金)正午より

マツダ映画社取扱の「1日通し券」もあり、毎年、全プログラムを耐久レースのように制覇される勇者の方もいらっしゃいます。こちらのホームページをご覧になったかたで、もし全プログラムを制覇された方がいらしたら、まり先生から粗品を進呈いたしますので、ご連絡くださいね。

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かんわきゅうだい【閑話休題】

徒然なるままに、雑談を。まり先生こと、私が「日本の無声映画」で四苦八苦している様子をオムニバス形式でお届けいたします。お時間があれば、ゆるっと読んでくださいませ。

「まり先生、漢字が読めなくて泣いちゃう!の巻」

2016年まで、幼稚園園長をしつつ、「こどもの城」などで、細々とミュージシャン活動を続けていた私が、退職後に、「むらさきmusicラボ」を運営しつつ、「無声映画楽士」に挑戦!自分でもびっくり!なのに、まさか、日本の映画を担当するとは!夢にも思っていませんでした。

まり先生のこれまで担当した無声映画アーカイブリンクはこちら!

とにもかくにも、漢字が読めない!で、初挑戦から苦戦しっぱなしです。

旧字を検索する方法にも途方にくれて、当時は「蛙の会」の伴奏に月に1回、「マツダ映画社」に通っていたので、高齢の会員さんに、読み方を教えていただいたりしました。今は、検索の仕方が上手になったのと、「わし」とか「あたい」「なんじ」とかの基本は調べなくてもわかるようになりました。国語で「漢字ドリル」の配点を捨てていた小学校時代の自分に「コラ!」ですね!

「まり先生、『和の経験値を楽器の数で補おうと奮闘したあれこれ…。」

2017年くらい、「邦画の時代もの」を舞台で勉強させていただいた時期には、あれこれ効果音の楽器をたくさん使っていました。竹の楽器、皮の太鼓、風の笛、おりんなどに助けてもらって稽古を重ね、上映を重ねていくうちに、これは、ちょっと本格的に勉強しないと!と思い立ちました。

「まり先生「浪曲」の門を叩く!の巻」

2018年、3~4月に神楽坂の新潮社にて、玉川太福さんの講座を受講して、台本を書いたり、唸ったり、自作の台本を太福さんに唸ってもらうというワンダーランドな体験をしました。これは、本当に楽しかった!そして、曲師の玉川みね子さんに惚れました!これだ!と思っていたところ、太福さんから、

「坂本さんは、ミュージシャンだから、東家孝太郎くんと仲良くなるといい」

と、勧めていただいて、いきなりコンタクトをとって、いきなりミュージシャンとしての活動の『倍音ビリビリユニット カムヒビキング』を吉祥寺 曼荼羅まで観に伺って、そこから数回、浅草 浪曲会館での勉強会も拝聴して、なんとなく「和の間」呼吸のようなものを曲師の方から学ぶということをはじめてみました。すると、チャンバラもなんなら永遠に即興で見ながら弾けるように、スキルアップを自分で感じられるようになりました。まだまだ課題はいっぱいなのですが、

「漢字とチャンバラ、どっちが怖い?」

と、聞かれたら、

「う〜ん」と悩めるレベルにはなりました。(笑)

まり先生、シンセで和楽器のひみつ編」

上スクショは、私の「サウンドデザイン」の表で、作品の素材をお預かりすると、まずはタイムラインで時間を把握して、映像の動作からBPMを割り出して、フレーズの尺を把握、そして、音色を組んでいきます。

ここいらへんのことは、Spotify Podcast 

でトークさせていただいています。

映画「カツベン」の楽士たちをイメージして、ひとりですけれども、何人かいるつもりで、それぞれの担当パートになったら、楽器を持ち替えているつもりで、楽器の音色をあらかじめプログラムしていきます。最近では、音量(Vol.)も、同時にプログラムに入れています。

 

「まり先生 ひみつの色ラベル」

今、私のシンセサイザーには、6/25の第779回無声映画鑑賞会の音色もプログラムされているので、キーボードには、こんな紙が付箋のように貼りついています。

無声映画鑑賞会での私のご贔屓筋の皆様は、よくこの「色ラベル」を記念に撮影されてお帰りになられます。音色の番号、記号も書いてありますが、その配合は、私しかわからないので、何の秘密にもなっていないのですが、初めての方は、

「この紙に書くと、音が変わるんですね!」

と、目を・:*+.\(( °ω° ))/.:+・:*キラキラとさせて、感動してくださるのですが、残念ながら、これはただのラベルです。本番が終わったらもういらないので、欲しい方には記念に差し上げています。マニアな「まり先生ファン」の奇特な御仁がいらしたら、どうぞ。

「国士無双 3巡目」

大変面白く、現代的とも言える見やすい作品なので、キャリアも浅く、ラボの事業が忙しく年に数度のレア楽士の私でさえ、この作品に携わるは、3回目となります。

「マルサの女」などの作品をのこした映画監督 伊丹十三監督の父、伊丹万作(池内義豊)監督作品ということで、初回は、ちょっと飛ばしすぎてしまいました。2回目は、「浪曲」のように、合いの手に集中してみました。3回目は、どうなるのかな〜。これから、「よりりん弁士」と相談、すり合わせをしていこうと思っています。

 

〜朝10時から夜8時近くまで、1日中たっぷりとカツベンと生演奏をお楽しみいただける〜

と、冒頭に、わざわざ青背景にして、「たっぷり」を強調いたしました。

浪曲に親しんで「たっぷり」

というワードが、物質の量の多さを示すだけではなく、

浪曲師への粋な掛け声でもあることを知りました。

 

2023のマイカツベン映画祭Aプログラムは、まさにこの「たっぷり」な心意気でいきたいと思っています。

開口一番にて、会場をあたため、勉強させていただきます。後半の縁寿さん神﨑えりさん組ともども、どうぞ、よろしくお願いいたします。

「たっぷり」と「和」の世界をデジタルな生演奏でお届けいたします。(デジタル楽器ですが、PC打ち込みは一切使用しておりません。リアル対応、100%です!)

私のシンセ捌きをご覧になられたいお方は、無声映画鑑賞会時同様に、どうぞ、遠慮なさらずに楽士席近くのかぶりつきでお待ちしておりますね!

 

〜植杉よりりん弁士とは、6/25の無声映画鑑賞会でも「チャップリン」で共演予定です。あわせて、情報をチェックしてくださいませ!

ご来場、心よりお待ち申し上げております。