*当日の模様の映像作品の完成後、情報公開しましたらご案内いたします。

*中央FM「ウィークリー声の架け橋」にて、主催側のインタビュー、ご来場の皆さんのご感想に加えて、弁士、楽士(わたし)の取材もしていただき放送していただきました。

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会場の様子はこのような雰囲気でした。お写真は、公式からお借りしました。観客のお子様の体験弁士コーナーのための撮影、お子様弁士の声を録音するための長い長いマイクが印象的でした。

会場の国立映画アーカイブNational Film Archive of Japan以下NFAJ(東京・中央区)地下ホール 舞台下手に尾田弁士、上手でシンセサイザーの前に座しているのがわたしです。

撮影 尾田弁士

私が手にもっているのは、劇中に登場する印象的な手作り人形を画面キャプチャーをして、忠実に布で再現したものです。「幌馬車」を上映作品に選出したスタッフさんに記念に進呈させていただきました。上映中に使用した効果音グッズ「レインスティック」なども、NFAJに寄贈させていただきました。私の手作り熱を受け取っていただけて、嬉しいし誇らしいです。

上映中、この人形がでてくる都度に、場内ではみなさんクスクス(笑)現在のシネコンでグッズ販売をしたら、飛ぶように売れていただろうに!と思うくらい、効果的な使われ方をしたお人形さんでした。

写真は、舟之川聖子さんのインスタよりお借りしました。

NFAJスタッフの皆さんが心を込めて壁面装飾も手作りでされている温かいイベントでした。

左から尾田弁士。2024は、これで共演は4回目。9月には、5回目の共演なので、私にとって2024年に最もタッグを組んだ弁士となります。中央は、「鑑賞対話ファシリテーター」という肩書きでご活躍中の舟之川聖子さん。私は長年教師をしているので、こどもたちを前にすると、つい「もとめている答え」を想いもかけずに引き出してしまうこともあるのですが、舟之川聖子さんは、しなやかにこどもたちの川の流れに寄り添って、さりげなく進めていかれるので、「新しい!」と感動しました。またの共演を熱望いたします。

私は、今回は2017年に山崎バニラさんの伴奏をさせていただいた「突貫レディ」イベント、上映作品「荒武者キートン」の時にリメイクした手作り衣装が、着心地がよく、今回のシンセや効果音楽器のオペレーションに最適だったのでひっぱり出して着用しました。

余り布は、ラボでは、コンガ(太鼓)のカバーになっています。ラボの生徒さんたちも多数ご来場だったので気づいてくれるかな〜って着させていただきました。(笑)

********雑感*************

ここからは、ちょっと長い「つぶやき」になります。お時間のある方、お付き合いくださいませ。

本イベント 国立映画アーカイブ こども映画館2024年の夏休み の初日のアニメーションの回にお邪魔いたしました。自分の出演前に、なんとなく場の雰囲気を掴んでおこうと、徳島出張の前日だったのですが、シンセの前搬入も兼ねて、鑑賞もさせていただき、素晴らしい作品ばかりだったのですが、その中で「みにくいあひるの子」の音楽に惹かれました。

『みにくいあひるの子』(1968年)
〇日本/監督: 渡辺和彦、音楽:斎藤高順/20分/カラー

音楽が素晴らしかった。

スクリーンの奥にぱぁ〜と光が注いでいるような、目だたたないけれど、和音が綺麗に重なった音の世界。

私の映画音楽のお手本は、ミシェルルグラン 。著作権の関係で、楽曲や、それとわかるモチーフは拝借はできないけれど、オーケストラを10本の指分重ねて、鍵盤上でアレンジするという手法は、そのまま私はシンセで10本指の弦楽器として表現することで、オマージュさせていただいている。

そんな私が、心を動かされるような豊富なリズム、多彩なアクセントがいっぱいの豊かな音楽が広がっていた。

そして、ラストのお城のような建物の前で美しくなった「あひるの子(白鳥)」を出迎える身なりの良い「こども」のみなさんのシーンで流れるのは「三拍子」。ワルツじゃない、三拍子ですよ。みなさん!

「むらさきmusicラボ」(わたし=まり先生)では、音楽理論、音楽の歴史などを中学生のテスト対策から一般〜プロミュージシャンまで、さまざまな対象者にお手製のテキストを使って教えているので、「三拍子」が昔は「完全形」で、四拍子が発生したのは、時代のずっと後だということをいろんな例題で教えているのです。

なので、このシーンで、「四拍子」がでてこなかったこと。まずは、そこに拍手!

そして、三拍子だったので、このお話の時代は、「実は・・・むかし、むかし」というファンタジーになったんだぁ〜ということが感じ取れます。そして、上等な貴族、王族のようなふるまいと服装をしたこどもたちとの触れ合いが音楽と融合する。いいなぁ〜。

音楽の余韻に浸りながら、ふと気づく。

「こうゆう作品を選んでくれるのは、国立の施設だからなんだよな〜」

タイアップ、企業協賛がないということは、「こどもたちに届けたい」「良いものをつくろう!」ということが動機になることを思い出しました。

私は、「こどもの城」(国立 閉館) の立ち上げまもない頃に音楽バイトとして関わり、その後はミュージシャンとして、イベント出演(最後の出演は閉館イベント)をさせていただき長く関わってきたし、私の音楽仲間の多くはこの時期からの長い付き合いのある民族音楽演奏家たちです。

「こどもの城」でも、スタッフみんなが「国立映画アーカイブ」NFAJと同じように「どうしたらこどもたちが、良い体験をするのか?」をシンプルに考えていたことが蘇りました。

自分の子育て中に職業体験施設やテーマパークにいったこと。幼稚園として、企業協賛のぬいぐるみ訪問を無料で受け入れたことなど、「営利目的」な「お子様むけ」という「何者か」について、すっかり鈍感になっていたなぁ〜と心にチクンとしました。

今回のイベントでは、主催、上映、照明、音響、映像収録、会館職員、インターン、マツダ映画社、パフォーマー(尾田弁士とわたし)が、一同に会すのは当日限りなので、朝から入念なサウンドチェックや、場あたりが行われました。

長年の経験があっても、NFAJにとっても「こどもが参加する弁士体験」は、初めての試みということで、かなり前段階から、NFAJ会議室での対面ミーティングの席も設けられていました。

でも、実際の会場でフィルムを上映しながらの場当たりでは、さまざまな意見が交換されました。そして、嬉しいことに、私の意見、提案も、受け入れていただき、こどもたちの参加映像後に流れるこどもたちの名前のエンドロールには、私がその場で即興で弾いた「幌馬車」で使用したモチーフを断片的に散りばめる手法の「よくあるエンドロール」の音楽は、とても好評でした。この模様は当日取材の映像作品では、個人名が入っているので公開されることはないと思うのですが、お客様のスマホには各自納められている様子だったので、記憶に残ってくれたら嬉しい。

即興で、それを弾きながら思わず思う。

「こんな体験を、自分の産んだこどもたちが小さい頃にさせてあげたかったなぁ〜。」

うちの子たちは、ギリギリ「こどもの城」の開館中に、音楽だけではなく、「体育」「造形」「プレイ」などさまざまな事業部からの「こどもの未来」を目標にしたプログラムを体験できました。でも、私が知る限り、令和では、企業による体験の場以外だったり、このような「採算があわない」公共の場はないと思う。

このイベントは、こどもたちは入場無料。保護者もほぼワンコインしかかからない。入場は申し込み制だから、キャンセルがでると、もったいないのですぐにスタッフさんの方でキャンセル待ちへの連絡をされているそうだ。スタッフさんたちの「もったいないから」という言葉は、この体験が、本当に貴重だということが、滲み出ていると思った。

この文章は、SNSには出さずに、ラボのホームページを閲覧している人で、なおかつ、文字数がおおくても読んでくれる人だけに伝われば良いと思う。

なぜなら、席数は151席なので、来年も私が出演するしないに関わらず、ラボの生徒たちにたくさん来場をしてほしいと思うから。

お客様の中には、中学生くらい子もいて、中には、毎年のリピーターもいるらしい。そして、成人してから、アーカイブにインターンとして戻ってくる人もいるそうだ。

そりゃ、そうでしょう。プライスレス。素晴らしいイベントだものね。

弁士の中では若手の尾田弁士は、このような素晴らしいイベントに連続出演してすごいね〜、と、

ふと、終演まもなくの移動中のエレベーターの中で私が漏らすと、すかさず職員の方が、

「尾田さんは、もっともこどもたちとの年齢差が近いですからね〜。」

尾田さんは、私の下の子(息子)と同じ2000年生まれ。

思いがけない着眼点だったと、終映後に知りました。もちろん、尾田さんの実力はピカイチなのは言わずもがなですね!

そして、先日、放送された中央FM「ウィークリー声の架け橋」の放送で主催さまがお話されていて知ったのですが、本イベントの長い歴史の中で、「シンセサイザー奏者」は、私がはじめてだそう。

なぜ、今回に限り、シンセで良かったのか?はわからないままなのですが、西部劇で効果音がありそうな場面がたくさんあるので、シンセや、手作り効果音打楽器の私のことを思い出してくれたのかなぁ〜と、精進しようと思ったところです。

そんなわけで、

「雑感」として、「三拍子」のこと。「国立」という施設ならではと自分の「こどもの城」での経験と重なったことなどをつらつらと書かさせていただきました。お読みいただきありがとうございました。

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以下は、告知として、上映前に書かせていただいたものです。作品情報と、尾田弁士のお名前の読み方が「たかとら」であることなど、ご確認ください。

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教員免許(中高音楽、幼稚園II種、I種)を4つ持っている「まり先生」(わたし)が、とうとうこの上映に呼んでいただくことになりました。

申し込みは7月5日(金)16:00より。

席数が少ないのと、大人気イベントでリピーターの方も多い様子なので、気にかけていただければ幸いです。

ママたちの気持ちを考えと、「こどもに見せたい古き良き映画」は、イコール「こどもに聴かせたい古き良き音楽」なのではないかな〜と、会場下見で空席の座席を眺めつつ、万感に浸りました。

国立映画アーカイブは、前回出演は、アフリカの野生動物たちの映画「テンビ」。今回も、移動し大河を渡る家畜たち、野生のバッファローなど、動物たちがいっぱいです。

■08.03[土]14:00-16:10

アメリカ西部の大自然と西部劇ならではのアクションを楽しもう![活弁と生演奏]

新天地をもとめて、幌馬車でアメリカの大地を進む人々。地平線の彼方まで伸びる隊列に驚かされるアメリカ西部劇の超大作。恋愛あり、友情あり、アクションありの西部劇の王道を活弁・演奏付きでお送りします。

 

『幌馬車ほろばしゃ』(1923年)
〇アメリカ/監督:ジェームズ・クルーズ/99分/白黒/原題:The Covered Wagon
※英語字幕のみですが、弁士の説明でお楽しみいただけます。

新天地を目指して、馬や牛と一緒に長い旅をする人々。仲間割れや灼熱の砂漠など一難去ってまた一難の旅。しかも、目の前には大きな川が! 馬や牛と一緒にどうやって渡ろう?

弁士:尾田直彪(たかとら)
楽士:坂本真理(シンセサイザー 生演奏)

定員:各回151名(全席自由) ※定員に達し次第、しめきります

料金:中学生以下 無料/一般520円/高校生・大学生・65歳以上 310円

★全プログラム事前申込制です。(申込フォームのみ) 

★7月5日(金)16:00より受付開始

お申し込み方法詳細はこちらのページから。

※7月5日(金)16:00より申込フォームへのリンクが表示されます。

https://www.nfaj.go.jp/exhibition/kids-cinema2024/