【音の決め手 ビーズ目数の決め方】

シェケレづくりで一番悩ましいのは、紐の本数とビーズの数、総数を求める基と円周を埋める基本のビーズの目数=一段の数です。市販品のようにキット化していないので、自然物である瓢箪ごとに数はかわります。どのくらいの量のビーズや紐を用意したら良いのか?のイメージとして、また、紐を結ぶ練習用としてのサンプルを用意しました。

・ひょうたんは、アール、曲線でできているので、結目の位置を決めるときには「ろくろ」で土瓶を成形しているイメージで、膨らみを計算しつつ位置をきめます。マッチポイントと思われる位置を確認する時に、ビーズを通した段階で瓢箪に当てると、「パチっ」という音が聞こえます。その場所が一番、良い音が鳴るところなので、そこにビーズがくると良い音になる。それを積み重ねていきます。

・紐は一気に結ばずにそぉっとそぉっと目を押し上げつつ、最後にきゅっと上にしぼりあげる。

・解くのは、とても大変!なるべく解かないで済むように気をつけて!

・段のはじまり〜段の終わり の見分けかた トイレも休憩も段が終わるまで我慢!我慢!止むを得ず中座する場合はクリップなどで目印を。

【参考展示とお着替えシェケレ】

あらかじめ上にループをつけて、豚鼻器具などをつけることにより、お着替えが可能となります。

【販売 瓢箪大 瓢箪ミニ】

【上糸に適したおすすめ素材の紹介】

瓢箪のくびれた箇所に輪っかのように巻く基盤となるところなので、少し太めで丈夫な糸をおすすめします。私は、もっぱら針金を使用して、「お着替え」しやすくしています。「豚鼻」を使用する場合は、豚鼻の穴に入ることが必要ですので、試しながら選んでください。

【縦糸】

ビーズが動きやすいように滑らかなものが良ければ、スムーズ加工された糸もおすすめです。

麻糸の加工済みのものは硬くある程度針のように穴に通せるのでとても便利です。

・エスコード 皮革用麻手縫糸 ¥480  ⭐️⭐️⭐️⭐️ 糸先をボンド加工をする必要がある他はパーフェクト

・ツレデ オリヅル  ¥280 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ ボンド加工なしでもすぐ使えます。 

以下は、自宅で演奏可能な小音量タイプに適したものです。アート系のイメージです。和裁に使うような昔ながらの絹糸や帝人糸は、繊細な揺らぎのある音を醸し出します。縁(より)が不規則なのが良い味となるのではないでしょうか?

駒印穴糸¥400 モリリン¥¥300 ひょうたん印¥600

小さい瓢箪で、小さいビーズに挑戦されるのなら、刺子の糸(綿100%)も扱いやすい糸です。

刺子糸名古屋藤久 ¥270(黄土) ユザワヤ刺子糸(赤、白)¥170 東京糸(白、黒)¥90

シェケレを作る際には、同じ長さにたくさん切る必要があるので、巻き糸よりも、束糸の方が折り巻いて長さを図る手間が省けるのでお勧めです。

結び目に長さを使うので、瓢箪の距離の2倍が目安となります。

【ビーズ 】

楽器の科学といっても過言ではないと思うのですが、穴とビーズの関係が余裕があるほど、ビーズのスピードが早くなり、音も大きくなるかわりに、編む工程が難しくなります。編んでいる途中、ビーズが落ちないように、仮結びを前の段からしていく工程がひとつ増えます。

ウッドビーズは、穴が均一でないので、通す作業の前にピンバイスなどで穴を拡張、整備する必要があります。

SHプラ丸ビーズ8mm 200個入り 

中国製プラ丸ビーズ 100個入り 

ダイソーニュアンスビーズ 26個入り 

【使用する工具など】

糸にもよりますが、糸の先を加工するのに木工用ボンドを使います。速乾が良いです。

ウッドビーズの中には、穴の大きさが安定していないものもあるので、「ピンバイス」という小型のドリルで事前に穴を整えるひと手間をかけることで作業効率があがります。

ミニ瓢箪などの上部をお碗のように切り出したい時には、ドリルで小さい穴を円周上に点線のように開けておくと、小さいノコギリでも簡単に切ることができます。また、ノコギリや穴あけ作業をする時には、下に空き箱を置くと後始末が楽です。

【修理・メンテナンス】

糸切れの修理には、作成時に使用したのと同じ糸が必要です。作成時に余裕をもって購入されておくと良いと思います。

ビーズが落ちた時には、すぐに拾って回収してください。同じビーズを購入することは、本当に難しいと思います。割れたビーズは、もとには戻りません。程度にはよりますが、ビーズが落ちるなどの事故の際には、私なら編み直します。

瓢箪が割れた場合。ビーズも糸もすべて切って、瓢箪の復活を第一に考えます。ある程度なら、別の瓢箪を砕いて粉にしたものをボンドでパテのように練って修復をした経験があります。

糸の経年劣化もあると思いますが、壊れる原因は、多くの場合「人に貸した時」におこります。シェケレに慣れていない人が、網目の方向と違う、無理な振り方をすることで、何かシェケレが違和感を感じて、糸が切れたりするように感じます。大事に扱えば、瓢箪も割れずに長持ちしますが、ステージの興奮などで必要以上の力が加われば、簡単に糸も切れます。ブラジルのお祭りの動画で、シェケレを空中に投げてキャッチするものがありますが、それは楽器と魂と繋がっているくらいの信頼度があるからで、レンタルシェケレで同じ行為はしない方が良いと思います。

自分で編んだシェケレは、滅多に壊れませんが、壊れた時も、初期にしっかりとケアすれば長く使えます。そして、生まれ変わり時がきたら、ビーズを全部取り替えて、新しい命を吹き込んであげたら良いと思います。