1ヶ月にわたって、4つの園を巡回していた「リズムクエスト」が修了しました。保育士研修用の「気づき」として、年齢別のこのような楽器あそびの時の環境設定について、こちらにも保存をしておきたいと思います。

0〜1歳 お座りしたまま 保育者の膝にのったまま、いろいろ手にとれるもの。床からの高さがポイント。コンテナの上にのせてある高さは、おままごとのちゃぶ台の高さくらいなので、この高さのものが、ベビーが使いやすいでしょう。

「リズムクエスト」は、楽器が置いてある公園のようなものなので、こどもたちは時間最大限に粘って、帰るのを拒む傾向にあるので、「最後のお楽しみ」のラインをつくって、退場に促していっています。

この園の動線だと、出入り口の近くに大きな窓があって、退場のラインが確保できたので、

①アトランダムな木琴(自作)&おはじき

②箱鉄琴(自作)&ビー玉

を学年ごとの「めあて」をつくってから退場としました。

2〜3歳 ビー玉わたす ビー玉回収(保育士がつく)

年少 1回ずつ 終わったら、回収箱にいれる〜退場しないで、さりげなく「もう1回」並ぶ子に注意

年中 アイテムごとに、スーパーのレジのように3列に並んで、空いているところ、または自分がやりたい順番に並ぶ。体験したら、後ろの列に並ぶ。

年長 最後の活動ではなく、自由に随時、自分の好きな回数を行う。後ろに並ばずに、遠くから全体をみてい、て、ちょうど公園のブランコのように「あいてたら」素早くのその隙を狙う感じ。最後にやっていない人がいるか、確認をするが、必ずしもフォローをせずに、「時間内にすべてをまわりきれなかった失敗の経験」を積むこともにも意義をもたす。

年長の最後の方になると、自分が様々な体験をするだけではなく、ほかのこが「なにを体験していないか?」まで、自然と目を配っている子が少なからずいるものです。

私は、この「リズムクエスト 」を図書館などの公共施設で、一見さん同士の親子で取り組む場も経験していますが、このような「保育下」だと、誰も「独り占め」もしないし、「みんなが体験できるように」お互いをフォローしあうので、本当に楽だし、みていて和みます。保育下ではない一般の場で何がいけないかというと、やはり親の過干渉であったり、「やらなきゃ損」というコントロールが発生してしまいます。

こどもたちは、自分たちがやりたい順番でうごきたいし、こどもの視野は狭いので、すべてを把握しているわけではありません。今、みているものをやりたい!を親御さんは、つい指図をしてしまったり、「ママがとっておいてあげているから」のような、順番とりなどをしてしまう人もいます。

また、このようなたくさんの楽器体験をする場では、ちょっと体験をして、また次の楽器というように、循環してもらえることを想定しているのですが、このような体験、経験値が少ないと、「収集」という活動をしてしまう人がいて、ひとりの人、親子が、自分のまわりだけに、たくさんの楽器をわざわざ並べなおしてしまう人もいます。置いてあるものを持ち出すことは、ルール違反と感じない人も一定数いるようです。

また、公園のお砂場ママルールなのか、人に譲りすぎる。こどもに「ごめんね」と必要もないのにママ自身が謝るなど、保育経験のあるものからすると不思議な風景もあります。

ですから、音楽」私が手作りしている楽器たちは、どれもこどもたちが好きな配色、そして、縦横の比率などにも、気を遣っています。そして、振る楽器の中味には、「画鋲」や「紙フレーク」など、通常の粒状ではないものも含まれています。

こどもたちが、最初に出会う楽器では、「指穴にいれる」「このように持ちます」のようなスタイルが決まっているものではなく、このように「どうやって持つのだろう?」と自分で考えられるものだと、また次への期待も高まるように思っています。小学校入学からは、ピアニカなど「やらないといけない音楽」が始まるわけですから、せめてその前には、思いっきり自由にやってほしいというのが、私の考えです。

 

 

春から新1年生になる皆さんも、リトミック、楽器あそびをまり先生と愉しんだことを胸に、元気に、明るく小学校生活に挑戦してくださいね。

また、研修に参加をされていた系列園の保育士のみなさん。また次年度もよろしくお願いいたします。