むらさきmusicラボ(まり先生)が出張指導には、もう何回も経験している定番のものについては、プログラム名がついているものがあって、「リズムクエスト 」は、2012年から継続をしている鉄板プログラムです。名前の由来は、ロールプレイングゲームのように、楽器を鳴らす体験をすればするほど「強くなれるよ!」というものです。強くなって戦うわけではないのですが、これは「上手に楽器が演奏できるようになります」が目的ではないということを謳うため、こどもにわかりやすいように「強くなるため」という表現をしています。

「楽器を上手に演奏できるようになる」は、一見、自分のためのように聞こえて、それは「発表会をみにきてくれる保護者のため」だったり、クラス全体の成果のためだったりすることもあり、100%自分のためとはいえないことが園での出来事としてはあると思います。でも、ここでの目的は、あくまで「自分が楽しく、いろんな音を実験する。順番を気にせず、好きな順路で公園あそびをするように遊ぶ」ことのみを実践しています。自由に遊んだ後には、ピアノの伴奏で一緒に合奏をしたりもします。

ここでは、それらの環境設定についてご紹介したいと思います。

〜〜〜リズムクエスト は、過去には、保養施設、図書館、市民ホール(観劇をみる会)など、様々な場所で展開をしてきています。私が車で運搬できる距離の場合と、都内など遠方の場合は、業者委託分の配送料金をご負担いただいています。

リズムクエスト の看板メニュー 「カウベルブリッジ」 フックに吊るしてあるだけで簡単に取り外せるので、自分で好きなメロディを奏でるように組み替えることも可能です。

「ミニ太鼓」旅行先やエスニックショップなどで、集めたミニ太鼓たち。緑のビニールをかぶせてリメイクしたのは、リサイクルショップで皮が破れた状態で売っていたのを安価で買って、「コンガ」の皮貼りのやり方で、ビニールクロスをかぶせたもの。このようなリメイクは大得意です。

板に、石工釘を売ったオリジナルのブリッジ。

板の上にのっているのは、「ツリーチャイム」の木製ver.(フライングタイガー )

この園には、ミニジャングルジムがあったので、様々な大きさのシンバルや、チベタンベルを吊るしました。
手でもって遊べる手作り楽器を中心としたセット。布製のものは、お手玉やベビー用のメリーをリメイクしたもので、中身の音材はすべてプラスチックなので、洗濯機で洗えます。
椅子を応用したコーナー 竹や真ん中のものは、民族楽器のレプリカ、カウベル。
木琴をランダムに釘打ちをしたもの。上からパラパラとおはじきを撒くことで、雨の音を感じられます。
楽器は、叩くもの(マレット)の素材でも音は異なります。いつでも取り替え自由な状態で、手作りの「お箸マレット」を置いておきます。楽しい音の実験を繰り返すことで、特に2歳以下の小さなこどもたちの耳は、いろんな音を受け入れる準備、細胞の組織が増えていくという話を聞きました。

同じことは、美術でもいえるそうで、赤にもいろんな赤がある。既製の色鉛筆、クレヨン以外の絵具など自分で色を混ぜたりする経験を持つことで、色のバリエーションを見分ける目の細胞ができるそうです。音でも同じで、どんな音でも「ドンドン」にしか聴こえないまま大人になってしまうよりも、生の音で身体で振動として感じる体験をリトミック を通して体験してほしいと思っています。

人気プログラム「リズムクエスト」は、次年度も、例年どおり3月に実施予定です。契約中の系列園の保育士さんが無料参加できる研修も受け入れ予定です。

巻末に、1年間のカリキュラムのテーマを記載します。このような1年の積み重ねを通して、「リズムクエスト 」を行ったこどもたち。私の目には、本当に「強くなった」というように見えました。また、来年もより強くなれるように、様々な音あそびの可能性をリトミックを通して探求していきたいと思っています。

4月 マーチスティックとズンチャカ楽器

5月 愉快な動物村

6月 リボン、音と線

7月 タンバリンとフレームドラム

8月 ドラムサークル(アフリカの太鼓など)

9月 創作、実験楽器づくり

10月 プレイバルーン 

11月 プレイバルーン 2

12月 ダンスダンスダンス♪(コスチューム体験)

1月 和に親しもう!(着物着用)

2月 サンバ(ブラジルの楽器)

3月 リズムクエスト(様々な音あそび)