こちらの投稿は、契約系列園の保育者研修 2023年4月の内容の補助的な説明を目的としたものですが、その他の方々(ラボの指導者むけ講座、オンラインのコンサルティング受講者をはじめ、まだ私のセッションを受けていないはじめての方も含めて)にも見ていただけたらと思います。

まずは、今回の4月の装備の紹介から。

〜はじめに、まり先生といえば、通年、いろんな教具や楽器をリトミックでは使用していますが、4、5月の動きだしにおいては、どちらかというと私自身をアピールするようなもの、そして、リトミックの時間は「楽しい」と印象づけることに重きをおいています。一見、ただおもちゃを見せびらかしているように見えますが、どれも「リトミックの動き」に近い動きのあるおもちゃです。おもちゃを手本として、リトミックの基本の動きを真似て学べるようなことを意識しています。

アイテム紹介〜左上から時計まわりで ()内は購入元

★パラシュート 4つ (フライングタイガー)リトミックとしては、スカーフを教具として用いることが多いのですが、その導入として、遊びながら布に慣れてほしいという意図です。

★マーチスティック(リメイク)保育用品鼓笛隊のマーチスティックを短くリメイクしたオリジナルです。ボールと異なり、ある程度の指向性があるので、自分の転がしたスティックを見つけやすく混乱がありません。

★自転車のアームとベル(オリジナル)自転車アームは、アルミホイルで自作しています。自転車のベルを鳴らすという活動は、後で楽器づくりなどで単体で登場するするカリキュラムとなっているので、その導入となります。

★絵本「タコラのピアノ」やなせたかし著 はじめてまり先生に出会う子にとって、ピアノをこんな風に弾く人間には、はじめて出会うとイコールだと思い、ピアノを弾くことについての絵本を選んでいます。セッション中に、いろんなピアノへの気づきを織り交ぜていて、リトミックや、まり先生にとって、ピアノは決して伴奏ではないことに気づくように、最後にまとめの作業を担う絵本です。

★アフリカの民族楽器 トーキングドラム ターマ 脇に挟むことで、音の高低がコントロールできるおしゃべりをする太鼓です。

★ブーブークッション 「先生に言うことを聞かないと○○だからね。」の禁止語は、もちろん平成でも令和でもコンプライアンス的にまずいと思うのですが、はじめてのこどもたちに接する時には、自虐的に、「まり先生がブーだから」といって、この「おなら」を聞かせると、みんな見事にシーンとしてくれます。でも、これは、私のキャラクターだからできるのかもしれませんね。おばちゃんキャラの方なら、お勧めです。

★バランスバード これは終わりのグリーティングで、ひとりずつ体験できるようにしています。

★ドナルド・マクドナルドのおもちゃ(25年くらい前のハッピーセットのおまけ)独楽のようにくるくるまわるおもちゃです。

★皿回し★フープ 大道芸で使いそうなグッズです。4月、新学期では、「手をあげて、指名されたら発言しても良い」とか、「思った順に言っていい」など、こどもたちが、先生と授業を通して発言する形を学ぶ機会を持つようにしています。3歳児などでは、「やりたい人」と募った時点で、自分だけが選ばれるのに違いないと信じて、指されてもいないのに壇上にきてしまう人もいて、微笑ましいです。ルールを教えるためのグッズです。指されなくて、後で、全員に体験の機会を持つようにしています。でも、みんなの前で拍手がもらえるのは、「一番最初に手をあげた人」「先生と目をあわせようと努力をしている=先生の話をよく聞いている人」「ハイハイとうるさく連呼しない人」など、ルールもあわせて、指名された理由も話すようにしています。

★お辞儀人形、逆立ち人形(フライングタイガー) これも、全員が体験できるように置いておきますね。このような体験に慣れていないと、「体験コーナー」のものを元の場所から自分が隠れて遊びたい場所に持ち去るケースもあります。学年があがると、失敗が恥になってしまうかもしれませんが、これくらいの小さい人形から、いろんなルール体験も共有できると良いと思っています。もちろん、私の模範では、リトミック的な動きとそれを言葉で表すオノマトペと並行して意味付けを行なっています。

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「メインテーマ」のマーチスティックの活動については、毎年、4月のカリキュラムに入れているので、どこかでまたご紹介できると思います。系列園の先生方に関しては、年2回のラボでの日曜研修でも、ご質問いただければ、展開方法をお伝えできます。

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「絵本 タコラのピアノ」について

まり先生のピアノ読み聞かせのレパートリーとしては、ピアノのテクニックをたくさん散りばめた、ピアノの音色を聞いてほしい「読み聞かせ作品」です。

4月は、まり先生と初対面の子もいます。その子たちは、ほぼピアノをこんなに弾く人、ピアノの練習じゃなく、ツールとして弾きまくっている人、楽譜なしで弾いている人、もしくは生演奏は、生まれてはじめてかもしれません。

テレビやPCモニター、スマホの向こうの人のピアノ演奏を違うところは、自分のリクエストを叶えてくれることではないでしょうか?または、対話の中に、演奏がある。ピアノの演奏もまた、キャッチボールのようなものということが、この4月の1セッションの中で、こどもたちは理解します。

上のおもちゃをひとりずつ体験するフリータイム時には、「まり先生は、ピアノ弾き屋さんになるから、何かリウエストがあったら言ってね。」というと、遊びの傍ら、ひとりや友達とトコトコ私の方へやってきて、生まれはじめての「曲のリクエスト」を楽しむ姿がうかがえます。最近では、「新時代 Ado」が絶対でてきます。私は、幼少時に絶対音感の訓練を受けていて、2〜3回、聴けば耳コピができる耳を持っています。口ずさむことができれば、弾けるので、レパートリーは無限です。どうしてもわからない時には、YouTubeを流しながら、その場で鍵盤を押さえてもなんとかなります。

そんな「まり先生とピアノ」の関係性を体験した後、最後に読むのが「タコラのピアノ」という流れは、自分でもとても気に入っています。ピアノが弾けることは、何も特別なことではありません。私からしたら、運転が苦手なので、高速道路を運転できる人の方がよっぽどすごいし、胃腸が弱いので、たくさん食べられる人も尊敬しています。生物多様性をも感じつつ、4月のセッションは幕を閉じました。

おまけに、4月恒例の太鼓クイズの動画も貼っておきますね。

https://youtube.com/shorts/ybOhXgwdVD8?feature=share