2020年のコロナ禍にて、 テーマパークや、コンサートに足を運びづらくなった背景を鑑みて、 保育園内、月に1度ずつの「リトミック」指導時間内に、 「おでかけ要素」を取り込んだ活動をリトミックのカリキュラムの中に取り入れて、 その看板活動が「太鼓リトミック」でした。

 

保育園での巡回指導プログラムは、各園とも1年に12個ずつなので、 次年度からは、リトミックの基礎やソルフェージュ活動に力を入れたり、 リトミック教具(マテリアル)を使用した活動も充実させていきたいと思っています。 2024年現在では、再び、こどもたちの様々な体験活動を含んだ「おでかけ」が可能になってきています。

「太鼓」の活動も、「ドラムサークル」などで検索すると、たくさんの出会いがあることでしょう。

また、各テーマパークにおいても、手軽に太鼓の音を耳にすることもできるようですし、コンサートに足を運ばれるのも良いでしょう。

このようなリトミック内での「打替え活動」は、手品にはじまり、ラボでは「盆踊り」もやっていました。

「おでかけ」できないけれど、こどもの成長はその間ストップしているわけではないので、知的好奇心が豊かなうちに、たくさんの刺激を得て、脳と身体を繋ぐ細胞たちをワクワクさせていく活動をたくさん提供してきました。

「太鼓」を保育園に定期的に運んでの活動は、一区切りですが、ラボでの太鼓の活動は引き続き行なっていますし、ご依頼があれば、私よりももっと太鼓が上手な、例えば本場の修行を経たミュージシャンと一緒に体験型コンサートをお届けすることも考えています。

また、これまで太鼓の演奏や、大人向けに「ドラムサークル」を運営していた方々で、私の幼児むけの展開について、興味を持ってくださる方がいましたら、喜んでノウハウも提供したいと思っています。

「アフリカではこうやっている」

「本場にこんな人がいたんだ」

というリアルな体験をこどもたちにお話しながら、太鼓の活動をされたら、きっと喜ばれると思います。

ただ、こどもの前に立つためには、導入、本編、発展、発散、クールダウンなどの時間配分や、興味づけも大変大事です。

こどもたちが、知っているワードから、興味を引き出すコツなどもあります。

また、アフリカの国名を提示するよりも、2~3歳では、「ライオン、シマウマ、アフリカゾウがいるところ」というような、こどもの中のファンタジーに任せるという方法もあります。

受け入れる教育施設とのすり合わせも重要です。

例えば、指しゃぶりをしている子、涎や鼻水を垂らしている子を、並んでいる順番だからと、そのまま指しゃぶりをやめさせて、皮の太鼓に触らせるようなことのないように、目を配ることも必要です。

アルコール消毒との距離感も、太鼓の環境には留意が必要です。

太鼓の搬入、搬出においては、私は、ひとりで運転して現場に向かうことが多いので、到着後に、保育園の皆さんで手をあけて、何人もの先生方で、バケツリレーのように大切に、太鼓を公演場所まで運んでいただいています。

もし、太鼓を運ぶことまで、パフォーマーが担うのであれば、それ相応の予算を獲得して、アシスタントや、複数のパフォーマーで現場に向かう必要があるでしょう。

太鼓の皮は経年劣化や、大きな力や唾などで痛むこともあるので、消耗品です。

保育園の関係者として、ちょっとボランティアでというような受け入れでは成立しないことを受け入れ先にお伝えするためには、企画書、起案、プログラムを記した文書などで理論武装をすることも必要でしょう。

私は、リトミックの先生が本業で、ツールとして太鼓を含め、様々な楽器を演奏したり、手作り楽器も作っています。

太鼓の専門家としての修行はしていないので、今後は幼児教育に長く携わった者として、アドバイスをする立場として、後進のサポートもしていきたいと思います。

アフターコロナ 2024年の「太鼓リトミック」月間において、例年どおり、4つの保育園を巡回指導を終えて、ほっと肩の荷をおろしたところです。

 

新たな形で、またお会いしましょう。