かつて、日本の幼児教育には、「お遊戯」という項目がありました。
ダンス、舞踊とは異なり、より「ことば」や「気持ち」を表現する、主に童謡など「唄もの」の歌詞に忠実に振りを当てたものをイメージできます。
一方、リトミックの中にも、即興的な動きや、リズムを即時反応していやく「リズム運動」と異なるアプローチの「ダンス」的な「コレオグラフィー」(振り付け)された活動もあります。
その中で、「音楽を空間に身体を使って演奏するという意味で踊るような活動をする」ことを「動的造形(プラスティック・アニメー)」といい、「見える音楽」と呼ばれることもあります。
実は、私の音大時代のゼミの専攻は、この「身体表現」で、4年次のゼミでは、ほぼ毎日、これに専任していた他、大学1年から卒業後の40歳までは、恩師 中館栄子先生の主宰される「アンサンブル・ユーリズミクス」のメンバーとしても活動をしていました。
身体を動かすことには、「体操」「ダンス」とあって、ややこしいのに、リトミックの中にも、様々な音楽と融合する身体の動かし方があって、説明が難しいのですが、幼児に指導することにおいてに絞るといくつかのセオリーが見つけられます。
・音楽と一致するような動きは、こどもにも覚えやすい。
・おゆうぎのように、歌詞に寄り添いつつも、音楽の形式(ABA、主題、展開部)などの構成のつじつまをあわせる動きを提供する。
・リトミックの基礎がでてきて、ピアノにあわせての即時反応ができているこどもたちに、的確な声がけ(リトミックでいうところのアナクルーシスの位置)のタイミングを逃さなければ、練習なしのぶっつけセッションでも、ある程度のレベルのパフォーマンスができます。
・続けて練習ができる場合は、最初から「完成形」を教えずに、毎回、少しずつステップアップをする方法をとれば、かなりハイレベルなフォーメーション付きの振り付けが達成できます。(こどもならではの、記憶情報の書き換えができるからです。)
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現在、月毎に巡回指導を行っている4つの保育園では、毎年12月に、「ダンス、ダンス、ダンス」というタイトルで、私が「むらさき幼稚園」で実践してきた「おゆうぎ」と「リトミック」を融合させた衣装をバッチリ揃えたパフォーマンスを1回限りの完結セッションとして、実施しています。
ただ、この「1回のみ」ということが、「たくさんの衣装、被り物」を前に、「ハロウィン的な、なんでも自分の好きな衣装が着られる「願いを叶えてもらえる日」と、目的がすり替わってしまう場合があるようです。
保育士の先生方も、なんとかこどもの希望を叶えようとして、数に限りのある衣装が足りないという事態になると、
「まり先生に、もう1枚、持ってきてもらえばよかったね」
という言葉がけが聞こえたこともあります。
その子にとって、
「まり先生が、足りない数の衣装をもってきた」マイナスを解決しないまま、本編の「ダンス、ダンス、ダンス」の体験に踏み切れない状態になってしまいました。
家庭内での「ハロウィン仮装」や、ピアノ発表会のドレスではないのですから、「その場にあるものをいかにシェアするのか?」を回数や、順番を工夫することで、保育下では、なるべく多くの子が満足する方向にもっていきたいところです。
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園長先生や、リーダーの先生、現場を取り仕切っている先生の経験値の差もありますので、今年も、2つのコースを用意することにしました。
「フリー」というのは、11月の研修で、その園ごとの先生が選んだ「衣装」のセットを、カテゴリーごとに、組み分けして、衣装イメージからプレイリストに入っている曲を選んで、振り付けを提供するやり方。
「ベーシック」は、先生方が、こどもたちをコントロールするのに、ある程度、枠が決まっていた方がやりやすい場合は、前日までに、「エントリー」として、踊る演目を決めておいてもらうものです。
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「フリー」の場合には、指導をする私と、こどもたちをコントロールする先生方との共通のおさえどころとして、以下をあげて、ご協力いただいています。
フリー演目の場合の注意点
⭐️テーマ目的はまり先生の動きをリアルタイムで真似ること
⭐️衣装の数を受け入れて、こどもをコントロールしてください。
⭐️コントロールが難しそうな場合は、あらかじめエントリー園児を決めておいてください。定員は多めに設定しています。未満の場合は希望者のみ。超過の場合は、ジャンケンなど園内で解決をしておいてください。
*蝶の羽は、揉めない約束をして提供します。
*着装を嫌がる場合は見学も可です。ただし、その場合、その子につきっきりにならず、嫌な理由などをくどくどと他の子の耳に入るような質問はしないでください。
*10時開始年少~長合同で、着付けの大人手を多く必要とします。
*着せてほしい子順ではなく、演目順に着替えをします。