【保育園リトミック】の補足記事です。

各園での園児様の活動のYouTubeの解説として、

または、今後、このようなとりくみについて、自園で手作り開催されたい園様向けには「研修」としての資料としてご活用くださいませ。

=プログラム名 『リズムクエスト』名前の由来=

「ドラゴンクエスト」などの「ロールプレイングゲーム」のように、音あそびをすればするほど『強くなった』とこどもたちに挑戦する動機づけをもっていくプログラムです。

「音楽教育」では、「うまくなるため」が目的であり、調和のとれた演奏が良い演奏とされるため、練習をすることがイコール楽しいこと、ストレス解消にはなりづらい側面があります。

しかしながら、保育下の幼児の活動において、このような大きな音を自ら出すという経験は、大変貴重です。住宅事情として、大きな音を日常で鳴らすことは難しいのはもちろんですが、そもそも家庭には、このような装置を組むことは生活の場として難しいでしょう。そして、保育の中としては、ただ設営するのではなく、「演奏として成立させる」リズミカルな演奏パフォーマンスや、「遊園地のような演出」も、あると良いでしょう。まり先生は、いつもよりもちょっとだけファッショナブルな出立で、手品道具や、バルーンアートも盛り込んで、「特別な世界観」「遊園地的な雰囲気」を演出してみました。

ここでは、主に手作り楽器の作り方や名称をお伝えしようと思います。

1)釘チャイム   楽器としての「ツリーチャイム」に似せたものを音の綺麗な釘で自作しました。

2)ジャムブロック  パーカッションとして市販されているプラスチック製のウッドブロックを扱いやすくした製品です。落としても割れないので、保育に適している楽器だと思っています。

3)鈴のクエスト 竹のラットル  回転式のカードホルダーや、アクセサリースタンドなどに、様々な形状の鈴を細かく陳列しています。大きすぎる力で投げるように叩くと、すぐに落ちてしまうことを最初に伝えることで、かなりの子が力の加減を考えながら音を出すことができました。

4)カウベル  スイスの風景で、牛が首につけている個体識別用のベルが、楽器としてメーカー販売されているもの。一般的に、クラシック音楽や吹奏楽のパーカッションで使用するものは、手で持って演奏するので、紐を通す仕様ですが、ラテン音楽でドラムセットのように一人で複数の楽器を演奏するパターンで使用するカウベルには、パイプで固定しやすい仕様になっています。カウベルは、「ソン・クラーベ」など、リードするリズムパターンを演奏する要となる役目をもつ使い方で重用されています。

5)ベルツリー、チャイムツリー  つるすタイプの金属楽器を集めました。

6)サンダードラム   劇伴などで雷を表現する大きな音がする楽器は、これは自作ですが、ちゃんと市販品もあります。バネは、これは針金をひとつひとつ巻いて手作りしていただきました。今回で、一番大きな音がする楽器です。

7)トライアングル   毎回、設置する場所ごとに、形態がかわるのですが、この園にはこうぎ台がなかったので、机の脚を利用させていただきました。これも、模範演奏が、肝となります。

日本の学校音楽では、トライアングルは、脇役で、鍵盤楽器が上手にできない子の逃げ場ともいえるかもしれませんが、ブラジルでは、リードギターのような「リードトライアングル」という花形ポジションがあります。「フォホー (Forró)」で検索すると、愉快でみんなが踊っている音楽をしている人たちがでてきますので、興味があればみてみてくださいね。

8)タンタン へボロ

ブラジルのサンバの楽器なのですが、サンバカーニバルのような大音量で、競技のためにする音楽演奏ではなくて、路地裏や家庭で個人が楽しむための「サンバ」で活躍する楽器です。とても深い音がするのは、ヘッドが二層になっている「ナパヘッド」という材質だからです。小学校やマーチングで仕様するプラヘッドとの違いを耳に記憶してほしくて、よく登場させています。

9)箱木琴 箱鉄琴 ビー玉

箱木琴は、おはじきで演奏するのも楽しいのですが、今回は保育園だったので、誤飲防止のために、ビー玉のみにしました。コロコロ転がす遊びが体験できました。

 

【他 アーカイブ】

保育園リトミックは、YouTubeにもたくさん記録が残っていますが、このようなレポート形式のものに関しては、以下のアーカイブが本HP内の投稿として残されています。時系列になっていますので、研修として閲覧される際の参考にしていただければ幸いです。2022年度も2回ほど、「むらさきmusicラボ」での研修が予定されています。月1回の保育士研修では、年間カリキュラムに沿った内容をご見学いただくことを中心に、ワンポイントのリトミックのフィジカルなトレーニングをすることで手一杯なのですが、アーカイブ内の楽器などにご興味がある場合は、直接ラボでの研修に系列園からのご案内でエントリーしていただくのが良いかと思います。

【保育園リトミック①】タンバリンとフレームドラム 付記 21年0715

【保育園リトミック②】アフリカンドラムサークル 付記 21年0808

【保育園リトミック③】『オリジナル楽器実験室』21年0910

【保育園リトミック④】 保育士研修@むらさきmusicラボ2021 21年1128

 

 

=感染防止プログラムとして=

2022年の2月は、感染防止に重きを置いたプログラムとして、心拍数のあがる通常のリトミックを避けたこのようなプログラムを各園ともに巡回指導として行うことにしました。

ひとり1個、または2個のマレットを持たせ、共用をしないで棒で音を鳴らすことで満足できる楽器のみを選びました。

このような状況下で、「リトミック指導」をみあわせる園もあるかと思いますが、やり方次第で、こどもたちが「楽しい」と感じる体験を設定することもできる好例として、気に留めていただければ幸いです。

*このプログラムに必要な楽器や組み立て用の機材は、スーツケースなど4つの荷物として、クロネコヤマト便で配送しました。パッキング技術もありますが、受け入れ側の園としては、男手がなくても、大きなトラックがなくても手軽にできる例としても、ご紹介したいと思います。