今年は、「スロヴァキア」の笛づくりのワークショップを、

「スロヴァキア」にゆかりの深いミュージシャンの「アナーキー吉田」さんの協力を得て、実践しています。

ラボにも、まだパーツなどの素材の在庫がありますので、

夏休みの「自由研究」まだ、間に合いますので、これからのかたも!

そして、7/28の外部ワークショップにて、受講をされた方むけに、「振り返り」のレポートを掲載します。

写真の最後に、ラボでの「パーツづくり」の模様が掲載されています。

この「コンツォウカ」は、100%東急ハンズで、買えるもので、できています。(今回は、予算を抑えるために、一部、ネット通販も利用しています。)

素材は、手軽に買えますが、それをパーツ化するのには、これだけの手間暇がかかっています。

今は、簡単な楽器は、DAISOなどで、100円で、手に入ります。でも、その100円は、日本での100円の価値とは違う、物価の安い国の人の手間暇がかかった100円の価値ということもあります。

ブランドや、有名メーカーのものが価値があるのは、確かな職人を安定していて確保しているからで、その企業の努力に対して、皆さんは、お金を払ってでも、買いたいと思われることでしょう。

おなじように、身近にある材料でも、誰かが、切ったり、危なくないように、バリをとって、加工をしてくれたものが、「パーツ」です。

「ラボ」では、「手作りの楽器をつくるノウハウ」を提供し、こどもたちの理解しやすい順序と説明方法も研究しています。

また、作った作品をどう「演奏するのか?」についても、丁寧に、ワークショップで、フォローをしています。

笛づくりの細かいポイントについて、知りたい方は、ぜひ、ラボでのワークショップにご参加ください。遠方、出張も可能です。

(ネットに作品の写真を掲載は、この作品の考案者の著作に関わることなので、見合わせています。)

 

はじめに
世界中には、いろんなスタイルの音楽があります。私たちが当たり前のように思っている「ドレミファソラシド」は、ピアノと同じようなモダンの楽器とともに、西洋から広まったものです。
日本にも、独自の音階と、民族音楽があるように、世界の国には、それぞれ独自の音楽があり、それぞれ興味深いのですが、楽器に対する考え方も、本当にびっくりするようなものがたくさんあります。
皆さんは、「笛」というと、譜面をみて、メロディーを演奏する「リコーダー」や「サックス」、または、スポーツや応援の笛などひとつの音しかでないものを想像するかもしれません。今回は、「音階のための指穴はないけれど、リズムで楽しめる笛」として、コンツォウカを紹介します。
(コンツゥウカは、練習すれば息の強さによって、音階の演奏も可能です。)

倍音について
コンツォウカをはじめ、世界には、メロディを楽しむというよりも、倍音を楽しむ楽器がたくさんあります。例 口琴、ディジュリドゥ
倍音について http://www.page.sannet.ne.jp/hirasho/sound/baion.html
http://www.geocities.jp/toyobox1/onkai.htm
ドの音をピアノの鍵盤を弾くと、実は、たくさんの音が隠れているということで、ペダルを踏んで耳を澄ますと感じることができます。

ひとつの音しか出ない楽器でも、その倍音をうまく使うと、いろんな音程が感じられ、リズムを加えることで楽しい演奏ができます。

倍音の図

上にいくほど、感覚が狭くなっています。

息をコントロールしてみよう
ピアニカや、リコーダーでは、音を強く吹くと音が大きくなりますね。コンツォウカでは、息を強く吹くと、違う音程の音が出ます。いろんな強さの息を吹くことで、メロディを吹くこともできます。コントロールをして、決まったメロディを吹くことも練習すればできますが、偶然生まれるメロディを楽しむのも、表現としては面白いですね。
このような奏法を楽しむ楽器は、「オーバートーンフルート」と大きく分類されていて、コンツォウカと同じスロヴァキアには、「フヤラ」という3つの穴の大きな長い笛もあります。
リズムを奏でよう
まず、気持ちのよいリズムパターンを考えましょう。自分で楽しく演奏できたら、仲間とセッションしてみましょう。倍音を多く含む太鼓や、同じ倍音楽器の口琴は、とても相性が良いかもしれませんね。ピアノなど、メロディや和音を重視する楽器の場合は、「羊飼い」「東欧」などのイメージを決めると良いかもしれません。

キメをつくろう
セッションをする時には、「キメ」といって、みんなで同じリズムパターンを演奏する「歌」でいう「サビ」のようなところがあります。

ソロをつくろう
具体的なメロディがなくてもいいので、ソロのパフォーマンスをするのは、他のリード楽器に比べて、とっても簡単です。勇気と度胸があれば、誰でもできます。
ただ、息と「強、強、普通、弱」などの順番を考えながらだと、他のリズムとあわせるのに、遅れてしまいます。大切なのは、リズムにのりながら、ソロの「尺」の間に収めること。そして、終わった後に、拍手がもらいやすいように、「イェ〜!」といった雰囲気に持っていくことです。これで、あなたもエンターティナーです。

セッションしよう
ソロとキメができたら、全体で合わせてみましょう!
アイコンタクトとボディサイン
ミュージシャンは、演奏中におしゃべりできませんから、簡単な合図では伝わらないようなことも、ボディサインで遠くにいるメンバーや、音響のスタッフに伝えます。しかし、せっかくボディサインをしても、相手がこちらをみていないと、意味がありません。合奏をするときには、常にミュージシャン同士は、お互いに目を配っています。そして、「いま」というタイミングを知らせる時、「いいよ」という感情なども、アイコンタクトで伝えます。

デコろう!オリジナリティを醸し出そう!
「コンツォウカ」は、羊飼いの楽器です。細い木の中を根気強くくり抜くのは、おそらく、羊を追いながら、幾日もかけて、ナイフを入れていったのだと思います。大変な手間がかかるので、日本で購入すると、4万円くらいの高価なものです。職人さんが作るというよりは、自分で少しずつ作るものというイメージなので、それぞれ「文様」のような装飾が施されて、自分のものとすぐわかるようになっています。

 

文様というのは、植物などのモチーフをシンプルに図案化したもので、それぞれの民族によっては、意味をもったりもします。日本でも、アイヌの文様は、いろんなところで目にしますね。

丸、シマシマ、図形を重ねて、オリジナルの文様を描いて、
世界にひとつだけの笛をつくると良いですね。

最後に まとめ

スロヴァキアは、東ヨーロッパにある小さな国です。
ここでは、スロヴァキアについて、深く掘り下げるより、そこで生まれた楽器と、広く東ヨーロッパの雰囲気の「ドンツドンツ」という元気なリズムと、倍音を使った楽器を紹介しつつ、簡単に演奏できることから、「セッション」の体験を導きだそうというのが、大きなねらいです。

皆さんが、実際に、プロミュージシャンと、セッションをしてみて、感じたこと。
例えば「アイコンタクトが、なかなか伝わらない人がいた」
「ソロまわしで緊張した」
などの感想は、とても貴重なものだと思います。

一番大切なことは、「セッション」は、ひとりではできないということです。仲間と一緒に音楽を奏でる楽しさ、その中でのソロパフォーマンスについて、たくさんの気づきを感じてもらえたらと思います。

 

 

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