2023年度のSSリトミック講座(公民館活動)は、全4回、無事に修了いたしました!

写真撮影も行うということを予告させていただいて、おしゃれ度アップの参加者の皆様とたくさんの記念写真も撮影することができました。

小学校や地域ホールのコンサートなどでは、例えば「ハワイの音楽」など、地域を絞ったテーマが多いですねよね。それは、演奏者が、その道を極めて、現地に馴染み、現地での流儀を伝える目的のものが多いと感じられます。

長年、幼児教育に携わってきて、「たったひとつのフィールドの極みに極めた現地流」よりも、こどもたちには、「バラエティショー」のような「いろんな国を短い時間でプチ旅行をしたような音楽体験」の方が、受け入れやすいのでは?と感じるようになってきました。

幼稚園園長として、様々な人形劇団、音楽集団などを招聘していくうちに、だんだんと目と耳が肥えてきて、「こどもだまし」ではない、こどもの心に届くようなコンテンツが少ないのなら、自分で作りたいと思うようになりました。

もうひとつの動機としては、こどもたちが自ら歌いたい歌がとても少ないということです。「歌えバンバン」「気球にのってどこまでも」のように、園や学校で習う歌には「前向き」な気持ちを表現するものが多く、311以降は、「絆」がテーマの作品が増えました。「ぺとら」の代表歌曲は、「屋根裏マン」。想像上のキャラクターの愉快な日常をナンセンスに歌った作品なのですが、敷居が高くないので、公演終演後も、こどもたちの耳に残っていることが多いそうです。

歯を食いしばって様々な犠牲のもとに修練を積んだ先の音楽に触れることは、家庭教育に任せて、保育下では、「自分たちでもちょっとがんばればできるレベル」のことを広く浅く、『窓』として紹介できる音楽団体が、ちょうど私が園長をしている期間においては、とても少なかったのです。

楽団「ぺとら」の母体、ルーツは、かつて青山にあった国立児童センター(児童手当基金)「こどもの城」で、世界各地で修行を重ねた音楽人、外国人ミュージシャン、それらを受け止めるグローバルな職員らによる「世界各国の音楽に身近に触れられる音楽ショー」が、日に数回、プログラムとして上演されていた場所です。私は、音大卒業後、数年、「こどもの城」で音楽アルバイトとして、それらの業務に携わっていた期間があり、そこで、ブラジルのサンバなど、世界の音楽に幅広く触れる機会がありました。

例えば、中国人のスタッフは、胡弓の名人なのですが、サンバのコーナーでは皆に混じってブラジルのグルーヴをこなしてブラジルの楽器を演奏しますし、それぞれの専門がある人同士、お互いに教えあって、いろんな国の音楽を吸収しあう、そして、業務用の空き缶やスプーンなどを利用して、素晴らしい日用品楽器を創作する美術班担当もいて、それぞれの力を出し合う、本当に素敵な場所でした。

アルバイト期間後、私は幼稚園の専任のリトミック講師から、資格を取得して園長を21年間勤めたのですが、園長時代の後半は、「こどもの城」に「アーティスト」として、楽団「ぺとら」がゲスト出演させていただくようなり、こどもの城の閉館イベントにも出演させていただきました。

 

私のリトミックへの思いは、「正解のないもの」「身体の不具合な箇所があっても、それぞれが工夫して自分で選ぶ自由があること」「うまくなるため、人に良く思われるためではなく、自分自身が強くなることが目的」と折に触れてお伝えしてまいりましたが、おなじように「世界のリズム」を「窓」のように広く浅く伝えることと、「手作り楽器」の奥深さについては、全てがつながった私のライフワークでもあります。

 

 

最終回では、2つのお土産を用意しました。ひとつは、「推し活」用のウチワ。企業案件のウチワのリサイクルなので、ぺとらのメンバーの名前を貼るなど私がアレンジしたもののほか、会場には、スタンプやマスキングテープ、折り紙などのコーナーを設けて、カスタマイズできる環境設定を施しました。

もうひとつは、「蓄光ブレスレット」暗闇でネオンのように光る素材です。これは、ライブ中に盛り上げグッズとして、楽しめていただけた様子です。

「市民大学講座」として、皆さんは「学ぼう」「吸収しよう」という志で受講をされているのですが、やはり学びの中にも、楽しみ、エンターテイメントは、必要です。また、ご自身が楽しまれたことを、ほかの人にも幸せのお裾分けとして広めていただければ本当に嬉しく思います。

毎回、配布させていただくテキストには、登場する楽器の名前とともに、前回の振り返りの動画のQRコードも掲載しています。

私は、今年度実施の外部講座のすべてと、定例実施の保育士研修でも、できるかぎりテキスト動画と連携したQRコードを紐づけています。

IT環境は、ひとそれぞれ。そして、「スマホはあるけれど、PCでの閲覧ができない」という方が最近多く、ホームページに掲載した記事を読んでいただける機会が少なくなりました。動画への誘導もリンクを貼るのでは伝わらないことが多いので、PayPayなどの決済でも浸透しつつあるQRコードをテキストとして紙に印刷することで、スマホをカメラで起動すれば、自動的にYouTubeに飛ぶことができます。スマホを持っていない人、カメラを起動できない人には届きませんが、それでも、この仕組みをつくることで、ホームページの閲覧ができない人でも、動画で自分の記録を振り返ることができます。

9月27日 最終回の上記の動画を開くためのリンクをQRコードにしたものです。

「ぺとら」は、体験型のコンサートということを謳っておりますので、今回も、触れて、音を出していただける楽器も持参いたしました。そして、最終回なので、写真撮影用のポスターもあります!

そして、忘れてはならないのが、公民館の職員さん、そして、私の個人的なサポートとして、お手伝いに名乗り出てくださったお二方の存在です。

ひとつのチームとして、本当に信頼しあえて良い時間と空間を参加者の皆様にご提供できたと思います。

そして、私をこの講座の講師として繋いでくださった前任者の濱谷紀子先生(音楽療法・リトミック)にも、敬意を示したいと思います。

 

参加者様との集合写真

プライバシー保護をかけてありますが、参加者さま方の表情は、本当に誇らしく、自信に満ち溢れています。

第一回目の時に、ひとりずつ時間をとって、ピアノで弾く曲のリクエストを募った時の表情。

そして、第三回目の時に、希望者の方に「まり先生にピアノで弾いてもらいたい事柄」の発表に、意欲的に手を挙げられていた表情。

これまでの歩みのひとつひとつに、成長、進化、熟成、考えたの覚醒など、いろんな側面があったことと思います。

 

最後にまり先生からの質問です。

 

「リトミックをやってみて、以前よりも強くなれましたか?」

 

これからの皆さんの日々の生活の中に、少しでも私と過ごした「音楽」が糧となるような瞬間があれば幸いです。

 

4週間、お付き合いをいただき、ありがとうございました。

 

さかもとまり