新宿の大手音楽教室の夏休み特別企画の「カシシワークショップ」を開催していただきました。

参加者の皆さんは、この製作を「夏休み自由研究」にする方が多いとのことで、

こちらにそのフォローアップをさせていただきますね。

参加された皆さん、「まりりんのラボ」のホームページへ、ようこそ!

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今回は、お子様は、「メダルカシシ」。大人の参加者の方は、「ナチュラルカシシ」を製作していただきました。

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皆さんの作られた作品です。

籐を水で浸して、柔らかくして、粘土のように自在にして、形を編んでいくのは、大変おもしろいです。

カシシは、ブラジルの楽器ですが、発祥は、南アフリカと言われています。

アフリカでは、「ケセン ケセン」という楽器があって、振り方も、「ケセン ケセン」という感じで、内側に揺り戻す感じで、中身にも、石が入っているものもあるようです。ブラジルのカシシと同じように、種や木の実の場合もあります。

今回は、「エスペランサ」のキットを使用しました。中身は、BB弾です。

貸し出し用で持参した「Marcos China」などのブラジルのカシシメーカーの製品は、ほとんどが中身は自然素材。日本の気候では、梅雨時の管理が大変で、長くつかっていくと、中身が腐って、粉になってしまいます。

まりりんは、元、幼稚園園長だったので(ホントだよ!)、こどもたちの中には、「ハウスダストアレルギー」の人もいたので、降って粉が出るカシシは、リトミックで使用するのに不安があったので、中身がBB弾で腐らないカシシは、いいな〜と思っていました。

そして、古いカシシで壊れてしまったのがあったので、なんとか自分で直してみようと、いろんな素材をつかっていたのですが、接着がうまくいかない!何か秘密がある筈だ!と、思っていて、作り方を習いに行ったら、まさか水で濡らすだけと分かって、びっくりしました。

最近は、民芸屋さん、雑貨屋さんで、よく「カシシ」に似ている「ガラガラ」のような商品名になっている籐で編んで、中身が何かの種か豆のものを見かけます。気をつけてくださいね。外国製のものは、何か知らない虫が出ます。そんな時には、夏の炎天下の車の中に放置しましょう。虫も、虫の卵も死んでくれます。虫が死んだ後は、たくさん降って、粉を落とします。場合によっては、中身を入れ替える手術も行います。梅雨以外は、風通しの良いところに保管、梅雨時は、密閉して、缶に入れて、乾燥剤を入れています。

でも、BB弾なら、その心配がないので、本当に文明だと思って、エスペランサさんのカシシは、本当に日本の気候にあっていると思います。

浅草のジャパンパーカッションセンター(JPC)でも、売っています。

リンク先を見て、値段を見ていただければわかるのですが、まりりんのWSでは、卸値価格で販売しています。中身を自分で入れて、音をチューニングできる「ハーフメイドカシシ」も、取り扱っています。それは、BB弾の中身がない分、さらにお安くなっています。まりりんが、デザイン企画した「コクーン」は、専売させていただいています。

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さて、製作が終わって、リズム講習会の部です。

カシシは、ビリンバウという瓢箪(ひょうたん)に、弓のような棒を刺した楽器

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を鳴らす時の叩く棒と一緒に鳴らすのに使われ、Unknown-1

こんな感じで、演奏されることが多いです。

カポエイラという「ブラジリアン柔術」では、戦いに見えないように「踊りだよ〜」を見せようとする奴隷だった人たちの歴史も関わって、発達をしています。「カポエイラ」については、「勝敗がない」とか、いろんなことが珍しいので、詳しく知りたい人は、調べてください。日本でも、こどもが習える団体がたくさんあります。

もちろん、ラボにも、「ビリンバウ」はあります。「楽器博物館的なご案内」プログラムでは、音も出せますので、試してみたい人は、予約をしてくださいね。

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ビリンバウの手作り楽器も作れます。(これは余談 デンタルフロスを使います)

そんな古来の「カシシ」の伝統から離れて、「カシシ」は、気軽で優秀なシェイカーとして、パーカッショニストたちが、ステージで演奏で使うようになりました。

まりりんは、NY在住のパーカッショニスト「グレン・ベルズ」さんの来日ワークショップで、カシシを両手で使う奏法を習って、右と左で、違うリズムをするのは、すごくピアノに似ているなぁ〜と思いました。音楽療法や、お医者さん、看護婦さんの参加者が多かったので、周りの人は、ピアノの経験がありません。私は、一応、ピアノが弾けるので、右手と左手が違うことをするのは、すぐにできました。

「ひょっとして、ワタシ、カシシ、うまいかも?」

と、思ってしまったくらいです。そして、そこで、カシシのメーカーの「エスペランサ」さんと出会いました。作り方を習いに、岐阜まで行ったのは、そのちょっと後です。

カシシは、左右に振る(籐と中身)のと、上下に落とすように振ると(底の素材と中身)で、音が違います。

自然素材のものなので、激しく降っても「うるさい」ということがありません。

家庭で鳴らしても良い楽器No1と思って、ラボでの入会特典として、自分でカシシを作ってもらって、マイカシシをプレゼントしているくらいです。

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例えば、「右」で「ドン」、すぐ「左」で、「グリ」とすると、「ドングリ」のリズムになります。

これは、左右同時でないので、すごく簡単。

先日のワークショップでは、「板チョコいちご」という良いリズムパターンが出てきたので、

「イチゴ」の部分は、両手同時に演奏してみました。

まりりんは、ゆくゆくは、この活動をシニア向けに「アンチエイヂング」として、やってみたいと思っており、

また、自分も、ボケない老人になりたいと思っています。

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さて、「メダルカシシ」の製作ポイントです。(やっと自由研究っぽい)

1 色のついた籐(草かんむりではないですよ、竹かんむり)を、水に浸します。水に浸しすぎると、ブニョブニョになり、硬いと折れてしまいます。

2 底に側面になるカシシを刺して、裁縫のように止めます。

3 キットでは、穴に入れるだけです。自然素材なので、穴が籐に対して小さい時には、ピンバイスやキリなどで、穴を大きくします。キットでない場合は、縦の側面は、必ず奇数です。これは、ポイントです。そうすることで、次の段になると、魔法のように模様になるのです。

4    横線を互いちがいに編んでいきます。リリヤン編みの経験がある方は、まさにその通りです。籐がなくなったら、引っ込むところを重ねて、次の籐にチェンジします。

5 メダルくらいの高さになったら、上の蓋の部分を側面の柱に通します。籐をトキントキンにするために、ハサミで先を少し切ります。これをする時には、乾いている籐の方が針のようで通しやすいのですが、その次に曲げる時には、柔らかい方がいいので、ここでは、どんな状態かを把握しておきましょう。(ワークショップでは、まりりんが、巡回してみて回りました)

6 蓋を通したら、隙間からBB弾を入れます。入れたら、エレベーターのように、蓋を下ろしていくのですが、一気に下に下げないで、陶芸のように回しながら、少しずつ下に下ろしていきます。UFOが、回りながら、地上に降りてくるイメージです。

7 下までみっちり下げたら、ちょっと圧縮して、BB弾が出ないようにします。上に飛びでている柱を、閉じるための穴にちょうど良いくらいに見極めて、改めてトキントキンに切ります。この時に、硬すぎるようであれば、少し濡らすと、曲げやすいと思います。

8 折らないように、折らないように注意しながら、止める穴に通して、上から押してなじませて、工程終了。

9 あとは、マジックや、マスキングテープ、シールなどで、オリジナルデコレーションを楽しみましょう。

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宿題用に、壁新聞のサンプルも貼っておきますね。

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