ピアノとオルガン、同じ鍵盤でも実は弾き方が異なります。

簡単に言うと、ピアノは「ピアノフォルテ」つまり「小さい音から大きい音」の演奏表現を打鍵の強さで表現する打楽器です。だから、強く叩けばフォルテ(大きく)なり、弱く叩けばピアノ(小さい音)になります。

ピアノは割と新しい楽器なので、古い時代の曲を演奏する場合には、「オルガン」(パイプに空気を送る大きな笛)だったり、「ハープシコード」「チェンバロ」(弦をひっかくことで音を鳴らす)など、音を出すまでのシステムが異なります。

キーボードでバイオリンやオーケストラの音色を出す場合には、オルガンタッチ、つまりパイプオルガンと同じように鍵盤上を蛇のように這わせて前の音と次の音の切れ目がないように演奏をすると、音の物真似としては上出来になります。

私は、小6から音大卒業時まで、カトリック 教会のミサや葬式、結婚式でオルガン奉仕をしていて、イタリア帰りの修道士の方にレッスンも受けていたので、一応、オルガンタッチの演奏も習得しています。

幼稚園を退職してから、まさか無声映画でオルガンタッチを披露することになるとは!と、思ってもみなかったことなのですが、いくらキーボードからピアノ以外の音がでても、奏方がピアノタッチだと、オルガンタッチの方が適している音色を活かすことはできないと思うので、このスキルは大切にしたいと思っています。

無声映画上映後に、たまにお客様で「オルガンタッチ」に気づいてくださる方もいらっしゃるので、最近は、オープニングに「シアターオルガン」らしい曲想のものを入れることもやってみました。