毎月4つの保育園にリトミック巡回指導を行なっている企業研修は、月に1回、4つの園のうち1園のもちまわりで月1で定例で、2022年度も実施させていただいています。年間12回の研修のうち、2回は、ホームのラボで、そして、子連れOKという設定で実施させていただいています。他月は、平日の保育下で行なっているので、管理職の先生の参加は難しいので、ラボでの休日実施研修は大変有意義なものとなっています。

8月のラボ研修は、私が2学期からのリトミックを円滑に行うためという意図も含めて、「楽器」をテーマに行いました。11月は、保育士さん個人のスキルアップ、リトミックの柔軟で自由な考え方に出会うことで、「楽しい人生を過ごすヒント」を見つけてもらうような大きな目的にむかったワークを散りばめた、「表現領域」に力を入れた内容に設定しました。

私が動きのサンプルで動くのは、ピアノを弾きながらだと限られてしまうので、今回は、「むらさきmusicラボ」の「ホリデーリトミック」としても共催で位置づけをして、普段からリトミックを継続している所作を参考にしてもらう形式としました。

保育士の皆さんは、普段から観察から読み取ることを仕事としているので、「見ればわかる」部分も他の業種よりも効果があると思いました。

保育士、園長先生のお子様方、ラボのこどもたちは、部分的にリトミックに参加したり、ままごとや工作を楽しんだりして、ラボの雰囲気を伝える役割を充分に果たしてくれました。

今回は、8月の講座の「保育園でのリトミックの流れ」から、もっと広義の「リトミックとは?表現とは?」という挑戦の回ですので、普段の流れでは冒頭に行う「ソルフェージュ」はスキップして、音符の時価のステップから行いました。

=11月の保育者研修 おしながき=

【第1セクション】

1)『音符の時価』 デモンストレーション(ラボの大人とこども)の見学

2)上記の実践

3)『がまん』(音符の時価のカノン)

4)『記憶』 太鼓(チンバウ)演奏のリズムパターン(2小節間)の記憶、ハンドクラップ再現

〜加配児(発達障がい、困った感のある子)の話、ワーキングメモリーの話〜

5)上記のステップでの再現

6)上記を横列で再現し、エネルギーと値にそった歩幅(距離)の確認

〜リトミックは、「時間と空間の芸術」なので、距離、空間をどうとるか?はとても大切です。〜

【第2セクション】

7)ショパン Chopin: 前奏曲 第7番 イ長調 (Prelude Op. 28 No. 7)を使った「フレーズのワーク」

〜「太田胃散」のCMで知られている楽曲を使用して、フレーズのまとまりを感じます。〜

①「いつ、どこで、誰が、何をした」を参考にした「ワード」をフレーズの後に順番にひとりずつ発表します。

〜フレーズの切れ目の参考に、トライアングルの演奏をひとりに入れてもらいました〜

②8個のフレーズのうち、7番目に一番のもりあがりがあること。4番目に軽い結末、8番目にほっとするような結びがあることに気づきます。

③言葉にジェスチャーを添えたワーク

④グループワークとして、協力してひとつの作品をつくり発表。

【第3セクション】

8)11月の保育園リトミック プレイバルーン に照明器具(ミラーボール)を取り入れた環境の体験

9)読み聞かせのデモンストレーション「100万回生きたねこ」ラボのママの読み聞かせ、まり先生のピアノコラボ

〜リトミックをする前提として、「読み聞かせ」の下地があることの大切さについて。「人の話を黙って聞く」ことを保育下で、継続的に当たり前のこととして実施をしている園では、リトミックの活動もより満足度の高いものになります。

【第4セクション】

・集合写真

・質疑応答

・12月のリトミック巡回指導のテーマ「ダンスダンスダンス」のコスチューム、被り物の各園のセレクト

 

☆質疑応答事項の紹介

・はじめてのリトミック 最初の一歩について(2,3歳児クラス)

〜タンバリンなどの既製品の楽器ではなく、手作りの楽器などで、「正解のない、自由な音あそび」につながるものがファーストコンタクトとしては良いですね。「ド、レ、ミ」などの音階のある「楽音」の楽器ではない「自然音」に近い「カシシ」などから、耳をだんだんと慣らしていくステップを踏んでから、ピアノで誘導したり、伴奏をしたりすることアプローチしていくことが望ましいと考えています。

 

普段から私のリトミックに慣れている園の先生方が、それらをフォローする助言を初心者の方にしてくださったり、ラボのママやこどもたちが、ラボの楽器を紹介してくれていたりと、大変微笑ましい口径が広がっていました。

ラボのオフィススペースの工作コーナーや、段ボール工作コーナーのテラスでは、ママが講座に取り組んでいる間に、素晴らしい作品もできあがっていました。

お天気にも恵まれ、大人もこどもも楽しいラボので1日を過ごしていただきました。

 

『むらさきmusicラボは、オトナ、コドモを問わない音楽のお城です。』